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2020.05.22

印刷業界における破壊と創造に向けて【HPデジタル印刷技術がもたらす革新1】

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デジタル印刷機を活用した印刷会社のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を支援する日本HP。4月9日には、新たなデジタル印刷機ラインナップを日本でも発表。あらたに加えられたテクノロジーは、印刷会社のDX実現をより強力にサポートするものとなっている。ここでは「HPデジタル印刷技術がもたらす革新」をテーマに、HP Indigoを中心とするデジタル印刷技術がもたらす世界を様々な視点からクローズアップ。第1回目は、まず産業印刷業界全体を見渡し、顧客ニーズの変化や成功するビジネスモデルに加えて、新しいHPデジタル印刷機のラインナップについて株式会社日本HP デジタルプレス事業本部 事業本部長 常務執行役員 岡戸伸樹氏が解説する。
(*) 当内容は2020年4月9日にて発表された内容を中心に抜粋しながら書き起こしています。

「デジタル印刷技術で革新をもたらす」というミッション

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世界におけるグラフィック市場の規模は、現在約5.5兆円。デジタル印刷のさらなる普及によって、今後も高い成長を遂げる市場です。デジタル印刷が市場をけん引する理由としては、まず消費者の動向が挙げられます。さまざまな分野でデジタル化が進んだことで、消費者は自分にあった商品を、より早く手に入れることを求める時代になりました。ハイクオリティでスピーディに、なおかつ高効率化を実現するデジタル印刷は、こうしたユーザーのニーズに応えます。

一方、ブランドオーナーの立場からは、オンライン、オフラインともに多様な商品があふれる時代において、自社の製品を魅力的に見せることが重要なミッションです。これに対しても、デジタル印刷の特長はこの消費者動向に応え、大きなアドバンテージを持っています。また、模造品に対するブランドの保護や、循環型社会に貢献する環境推進など、ブランドオーナーが抱えるさまざまなニーズに応える意味でも、デジタル印刷は欠かせないものとなっています。

デジタル印刷導入によってもたらされるもの

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では、デジタル印刷技術を用いることによって、具体的にどのようなデジタル戦略を立てることができるのでしょうか?ここではイノベーションとオートメーションという2つの軸で見ていきます。イノベーションは、デジタル印刷の特長を生かし、ユーザーに豊かな体験を届け新しい付加価値を提供する営業的アプローチとなります。かたやオートメーションは大量のジョブを効率よくさばくことで、Analog to Digitalを推進していく製造的なアプローチ。この2軸を推進していくことで、お客様のニーズを満たしながら高収益を目指すのが今後の印刷業界の目標になると考えています。

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2014年からの成長率を振り返ってみても、デジタル印刷がもたらした効果は明らかです。イノベーションにおいては、付加価値インキを活用した高品質アプリケーションを提供するプレミアムプリントプロバイダーの成長率は337%。オートメーションにおいても、Web to Printプラットフォームを前提にサービスを提供するオンラインプリンターの成長率は336%となりました。この目覚ましい成長を支えているのが、HP独自のプリンティング技術を投入した『HP Indigoデジタル印刷機』と『HP PageWide Web Pressインクジェットデジタル輪転機』です。では、新しく導入したテクノロジーを中心に、商業印刷とラベル&パッケージという2つの分野でそれぞれの新製品を紹介します。

【商業印刷】HP Indigoユーザーの躍進は止まらない

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商業印刷市場の昨年度の成長率は、マイナス0.5%の微減となりました。ところがアナログ印刷とデジタル印刷に分けて考えると、状況は大きく異なります。アナログ印刷はマイナス2.7%に対して、デジタル印刷は5.5%の成長を遂げているのです。さらにデジタル印刷の内訳を紐解くと、HP Indigoユーザーは12.7%もの高い成長を遂げています。またB2サイズの印刷量で見れば、HP Indigoユーザーは95%という圧倒的シェアを実現しました。こうしたデータはHP Indigoの強みを証明しているといえるでしょう。また新しく投入する新機種は、HP Indigoの特長をさらに強化し、デジタル印刷のメリットをさらに感じていただけるものとなっています。

HP Indigo 100Kデジタル印刷機

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『HP Indigo 100Kデジタル印刷機』は、第五世代の新テクノロジーを搭載した最新デジタル印刷機です。毎時最速6000シートの圧倒的な印刷速度を実現し、オフセット印刷機と同等クラスの生産性を実現しました。その内訳を見ていくと、まずは「ノンストップ給紙」が挙げられます。真の生産機として、いかに稼働を止めずに長くランニングさせるか、という点は重要なポイントです。『HP Indigo 100K デジタル印刷機』は、オプションで2つの給紙ユニットを追加することが可能となり、合計5つの給紙ユニットを活用することで、印刷を止めることなく用紙の変更が可能です。
さらに新たな用紙搬送システムは、印刷品質の向上を実現。そして高効率化の大きな妨げとなるスタッキングに関しても、自動印刷用紙排出機能を備え、この問題を解消しました。
そのほか印刷を止めることなくカラーキャリブレーションを実施する機能なども備えています。このように紹介したすべての機能を駆使することで、最高50%もの生産性の向上(Indigo15K比)を実現します。

HP PageWide Web Press T250HD

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『HP PageWide Web Press T250HD』は、22インチ・プラットフォームの最新機種。カメラ、ライト、分光光度計ら各種コンポーネントが一新されたほか、最大のポイントは「HPブリリアントインク」の搭載となります。ブリリアントインクは、さらなる印刷品質の向上を実現するもので、特徴としてはより広い色域(特に赤、青)を実現していることが挙げられます。グロスレベル、インキの定着性、にじみの改善も実現しました。メディアの多様性にも対応し、オフセットコート紙、オフセット上質紙にもインクを変更することなく適応します。

【ラベル&パッケージ】圧倒的なユーザー数がHP Indigoの優位性を証明する

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例として軟包装印刷市場の昨年の成長は4.4%と微増にとどまりましたが、HP Indigoユーザーに限っては30%を超える高い成長率を実現しました。紙器やラベルにおいても同様の傾向が見られ、こうしたHP Indigoのラベル&パッケージにおける圧倒的な優位性をさらに推し進めるべく、最新鋭の第六世代となる新しい技術を採用したHP Indigoを2022年より投入する予定です。

HP Indigo V12デジタル印刷機

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2022年に登場するHP Indigo V12デジタル印刷機はラベルアプリケーションをメインターゲットに、最新鋭の第六世代テクノロジーを採用する機種になります。HP Indigo V12デジタル印刷機では新たに開発したLEPXにより、毎分120mという常識を覆す高速印刷が可能となり(※6色まで。7~12色は60m)、フレキソ印刷と同等の生産性を実現させています。

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構造的な特徴は、印刷ユニットを小型化し、6色のインキを一列に並べて配置したことにあります。これによりブランケットを1回転させるだけで、6色の印刷が可能となりました(従来方式は4回転必要)。さらに6個の印刷ユニットには、それぞれ2つの現像ステーションが配置されており、12色でもわずか2回転で印刷は完了します。他にも1600dpiのLEDヘッドプリント、感光ドラム、ブランケットもベルト状に改良することで、第六世代機にふさわしいスペックを実現します。

真のデジタルトランスフォーメーションを実現するrintOSXの革新

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ハードとソフトの両面から進化を促すのがデジタル印刷における技術革新のテーマとなりますが、ソフトウェアの進化を象徴するのが「PrintOSX」です。印刷機における膨大なログデータをデータアナリティクスで分析し、機械学習によって効率的な生産性を提案するほか、AIを用いて故障の予防保全を行うことも可能となります。特にPrintOSXでは印刷機回りの管理だけではなく、オペレーター、生産管理者、ビジネスオーナーにも恩恵をもたらすことが大きな特長と言えるでしょう。

まずオペレーターには、トレーニングや専用学習システムで専門知識を深める「オペレーター認証トレーニング」、専門家によるオンタイムのサービスサポート「サービスエキスパート」、不具合をオンタイムで確認できる「Print Care プラットフォーム」などを用意しました。

生産管理者にはリアルタイムで生産を監視し、継続的に改善に向けたアクションを提供。最新の技術情報、サービス状況、カラー品質の監視をどこでも確認可能で、生産性を最大限生かすマネジメントが可能となります。

ビジネスオーナーには「マーケットプレイス」というツールによって、成長、アイディア、ソフトウェアという3つの側面からの最新情報やアプリケーションを共有します。全世界のアイディアやフリー素材、印刷サンプルのほか、アプリケーションをサブスクリプション方式で提供します。また、高付加価値を生産するアプリケーションであるSmartStream Designerでは、ひとつの素材から異なるデザインを大量に自動生成するHP MosaicとHP Collage、ビデオ画像を印刷データに取り込むHP Frame、マイクロテキスト、マイクロQR、セキュリティフォントなどの偽造防止技術により、商品を守る様々なセキュリティソリューションも用意されています。

全方位でデジタル印刷の推進をサポート

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HP Indigoデジタル印刷機とHP PageWide Web Pressインクジェットデジタル輪転機というHPの製品群、そして商業印刷とラベル&パッケージという領域。2020年春、私たちはこの4象限において、多くの新製品を投入することになりました。これらの豊富な製品群によって、市場のアナログからデジタルへの変革を推し進め、産業印刷における破壊と創造へ貢献したいと考えています。

(解説/株式会社日本HP デジタルプレス事業本部 事業本部長 常務執行役員 岡戸伸樹氏)

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