2020.02.20

Adobe Portfolioでポートフォリオをサクサク作ろう!

HTMLなどのサイト構築に関する知識があまりないために、ポートフォリオの作成に踏みだせなかったクリエイターでも、Adobe Portfolioがあれば簡単にすてきなサイトが作成できます。また、本アプリはAdobe Creative Cloudに加入していれば無料で利用できるので、コストパフォーマンスが高いと言えます。便利なツールを積極的に活用し、自分の作品をぜひ世界中の人に見てもらいましょう。

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クリエイターにとって、自分の作品をまとめたポートフォリオは必要不可欠なアイテムです。ポートフォリオをWeb上に公開することで世界中に作品を見せることができ、仕事にもつながるでしょう。しかし、自分でゼロから作るのはハードルが高く、諦めている人もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、専門知識がなくても簡単にポートフォリオを作成できる、Adobe社のアプリ「Adobe Portfolio」について紹介していきます。

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クリエイティブ業界でのWebポートフォリオの役割

「なぜAdobe Portfolioを使うべきか」をより明確に理解するためには、まずポートフォリオの役割についてもう一度確認することが重要です。Web上のポートフォリオは単なる「作品集」を超えるもので、たとえば自分の作品をプレゼンテーションしたり、自分自身をブランディングしたりする場とも言えます。クリエイティブ業界でポートフォリオを求められることが多い理由は、作品だけではなく、その人の性格や人間性までも映す鏡となるからでしょう。

そのため、ポートフォリオを作成する際は、異なる視点で作品をまとめたものを複数持ち、使い分けることがポイントです。相手の職業や性格などで見せるポートフォリオを変えれば、プレゼンテーションがより成功しやすくなる可能性があります。また、ポートフォリオ作成の注意点として、デザインに凝りすぎない点が挙げられます。ポートフォリオの主役はあくまで作品であり、Webページそのものではありません。デザインに凝ると作品の印象が薄くなるため、極力シンプルにすることが望ましいです。

Adobe Portfolioの8つのメリット

Adobe社が提供するアプリ「Adobe Portfolio」は、クリエイティブクラウドにあるアプリのひとつとなります。こちらは、Adobe Creative Cloudに登録していれば無料で利用可能なのが特徴です。ただし、登録をしていない場合でも、料金を支払えば利用できます。では、本アプリを使うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、7つのメリットについて解説していきます。

メリット1:PCでもスマホでも見やすい

Adobe Portfolioの大きなメリットは、PCでもスマホでも閲覧しやすい点でしょう。本アプリはレスポンシブデザインに対応しているのが特徴で、基本的に閲覧するデバイスを選びません。どのようなテーマでも、PCやタブレットはもちろんのこと、スマホの小さな画面であっても美しさを損なわず見せることが可能です。また、読み込みも早いので、閲覧者のストレスを軽減させられるのもメリットと言えるでしょう。

メリット2:いつでもどこからでも作業できる

Adobe Portfolioでは、作業環境を選ばないのもメリットです。いつでもどこでもインターネット環境とスマホなどのデバイスがあれば使用できるので、作業のフットワークが軽くなります。また、直接Webブラウザ上で作業できるので、素早くかつ直感的にポートフォリオを作れるのも特徴です。

メリット3:HTMLやCSSが分からなくても簡単に作れる

ホームページなど、Web上でポートフォリオを作成する際には、HTMLなどの知識が求められることがあります。しかし、Adobe Portfolioは、ログインすればすぐにでも編集をはじめられる簡単さがメリットで、プログラミング言語の知識は必要ありません。基本的に操作はクリック作業だけでコンテンツが追加できるので、操作が簡単なだけではなく、作業時間が短縮できるのも魅力です。基本のテーマとなるテンプレートから、自分の作風やセンスに合うものを選び、それをカスタマイズしていくのが基本的な流れです。ポートフォリオ作りがはじめての人でも、あまり戸惑うことなく作業を進めていけるでしょう。

メリット4:スタイリッシュなテーマを自由にカスタマイズ

カスタマイズ性が高いのもAdobe Portfolioのメリットです。本アプリにある数種類のレイアウトは、いずれもスタイリッシュかつ魅力的で、そのままでも作品を引き立ててくれるでしょう。しかし、作品のテーマや雰囲気によっては「もう少しこうしたい」という思いもあるかもしれません。本アプリでは、簡単に理想のデザインへとカスタマイズできるのが特徴で、カスタマイズの幅が広いのも特筆すべき点です。

たとえば、ページの縦横比やカバー画像は変更可能であり、また1ページにどれくらい項目を並べるのかも選べます。さらに、背景色を変えたり、ボタンを設置したりといった、基本的なことも自分で設定できます。加えて、以前に決めたテーマを変更したくなった場合でも、クリックすれば容易に選び直すことが可能です。元のテーマ設定は保存されているので、戻したいときも簡単に元通りとなります。

メリット5:ひとつのAdobeアカウントで5つのサイトが作れる

Adobe Portfolioでは、Adobeアカウントがあれば複数のサイトが作れます。ポートフォリオはまとめ方の異なる複数のものを作り、相手によって見せるものを変えると効果的なケースがあります。5つのサイトが作れる本アプリでは、メインのポートフォリオに加えて、4つのユニークな視点でまとめたポートフォリオを作成可能です。使い方によっては、一時的に利用可能な簡易なホームページとしても活用できるでしょう。また、作品が掲載されているメインページ以外にも「スプラッシュページ」という、コンタクトやプロフィールに適した便利なものもあります。

メリット6:細かいパスワード設定が可能

Adobe Portfolioにはパスワード設定があるため、ギャラリーやページにひとつずつ設置していくことが可能です。また、もちろんサイト全体にパスワードを設定することもできるため、非公開や限定公開をしたい場合には便利です。使い方によっては、たとえば非公開にして自分の作品を眺めながら次のアイディアを出す場にしたり、限定公開でクライアントにだけ見せるページにしたりなどでも活用できるでしょう。

メリット7:独自ドメインが持てる

独自ドメインは、ビジネスを円滑に進めるために不可欠なものです。独自ドメインがあれば、相手に安心感を与えたり、プロフェッショナルだと信頼してもらえたりします。また、インターネット上で検索にかかりやすいサイトにできるのも、独自ドメインのメリットです。Adobe Portfolioでは、選択画面から「namecheap」を介して直接ドメインを購入できます。サブドメインは「https://〇〇〇.myportfolio.com/」の「〇〇〇」の部分を変更すれば使用可能になります。また、サブドメインの変更は5回まで可能です。

実際にAdobe Portfolioを作ってみよう

Adobe Portfolioのメリットや魅力を理解したところで、実際の作成手順も見ていきましょう。ここでは、8つのステップを紹介していきます。

事前に準備を整える

ポートフォリオをスムーズに作成するためには、事前にしっかりと準備をしておくことが大切です。まず、ポートフォリオに表示する作品の選定は、時間をかけてじっくりと行いましょう。コンテンツが良くなければ、レイアウトなども生きてきません。また、ポートフォリオに適した解像度や形式の画像ファイルを作っておくことも重要です。Webで表示するには一般的に72dpiの解像度があれば良く、Adobe Portfolioで可能なファイル形式はjpeg・png・gifの3つとなります。

さらに、作品をわかりやすく、かつ見やすくするために、カテゴリに分けることも重要です。本アプリは「ギャラリー」「ページ(プロジェクト)」「コンテンツ(作品)」の3つからなっています。それぞれのコンテンツをどのページに配置するのかをまず考えて、次にページをどのギャラリーにまとめるのかを決めます。このように、小さなものから大きなものへと階層的に考えることで、質の高いポートフォリオが作りやすくなるのです。

Adobe Portfolioにログインする

Adobe PortfolioはWeb上で編集できる便利なアプリで、編集するためにはログインが必要となります。やり方は、まず「https://portfolio.adobe.com/」にアクセスし、Adobe IDとパスワードを打ってログインします。あるいは、Adobe Creative Cloudから入り、Adobe Portfolioを選択することでもログイン可能です。ログインできたら「無料ではじめる」、または「Creative Cloudで無料」をクリックしましょう。「作品ギャラリー」と「スプラッシュページ」がありますが「作品ギャラリー」のほうを選択します。

レイアウトを選択する

Adobe Portfolioで優れたポートフォリオを作成するためには、はじめに用意されているレイアウトから、作品のイメージに合うものやポートフォリオの方向性に適したものを選択します。ただ、レイアウトはいつでも変更可能なので、あまり深く考え過ぎず、直感的に気に入ったものを選ぶので構いません。レイアウトを変更しても作品は消えないので安心です。「View a live example」をクリックすると、先ほど選んだレイアウトを使って作成されたデモを見ることができます。レイアウトを選択した後「Edit your Portfolio」をクリックすると、そのレイアウトが表示されます。

各コンテンツを編集する

編集画面では、先ほど選択したレイアウトに合わせてそれぞれの要素が配置されています。そのため、編集したい場合はその部分にカーソルを合わせて、鉛筆のアイコンをクリックしましょう。表示されるパネルの指示に従ってコンテンツを編集していけば、だんだんとすてきなポートフォリオが出来上がっていきます。ホームページのタイトルは、はじめに登録時の名前が表示されているため、ほとんどの場合に編集する必要があります。まずはタイトル部分にカーソルを置き、鉛筆アイコンをクリックしましょう。

そうすれば「サイトタイトル」のボックスが開くので、タイトルを変更します。また、テキストだけではなく、フォントの種類やサイズも変更でき、また配置やカラー、スタイルも好きなように変えられます。場合によっては、画像を挿入したり、リンクを貼ったりすることもできるので、カスタマイズ性に優れていると言えるでしょう。同様に、そのほかの要素も変更できるので、アレンジしがいがあります。

ギャラリーを追加する

ギャラリーを追加することで、より密度の高いポートフォリオを仕上げられます。デフォルトでは、追加ギャラリーには「Work」と「Contact」の2つがあるので、適したものを選択しましょう。ギャラリーを追加するには、画面左のメニューアイコンから入ります。「+」マークを選択したら出てくる「ページを追加」をクリックして「ギャラリー」を選びます。ギャラリー名を打ち込んでから「ギャラリーを作成」をクリックすると、簡単に新しくページが追加されます。

ページを作成・編集・追加する

ページ(プロジェクト)を追加したい場合は、画面左のメニューアイコンから「+」マークにある「ページを追加」をクリックし「ページ」を選択しましょう。ページレイアウト・ページ名・追加先のギャラリーをそれぞれ選択したら「ページ作成」をクリックします。また、コンテンツのアップロードは、ページに挿入したいコンテンツ(ファイル)を選び「開く」をクリックするだけで完了です。さらにコンテンツを追加したいなら、追加したい部分のセンターにカーソルをあわせると出る「+」マークをクリックします。クリックで出たメニュー画面でコンテンツを選択すれば、すぐに新しく追加できます。

Webサイトの設定をする

納得のいくページに仕上がったら、次はWebサイトの設定をしていきましょう。こちらは必要な部分だけを適切に設定すれば良く、特に難しいことや複雑な操作は行いません。まず、ポートフォリオの閲覧者が作成者に無断で作品画像をダウンロードすることができないように「サイトオプション」にある「画像を保護するために右クリックを無効にする」をチェックしましょう。著作権などを守るためにも、こちらの設定をしておくことは大切です。また、ポートフォリオを限定公開したい場合は「パスワード保護」を使ってパスワードの設定をすることもポイントです。

ポートフォリオを公開する

ギャラリーやページなど、ポートフォリオのすべてが満足できる仕上がりになったら、いよいよポートフォリオを公開するときです。まず、公開前には編集画面の下にある「プレビュー」で全体をチェックして、問題がないかを確認します。これで良ければ「サイトを公開」をクリックしましょう。公開に成功したら「ポートフォリオを公開しました」の画面になります。その際にはサイトのURLが表示され、それをクリックすると先ほど公開した自分のポートフォリオのサイトに飛びます。PCやスマホなどで再度確認して問題がないようであれば、ポートフォリオの公開完了です。

ポートフォリオを活用しよう

ポートフォリオを公開する際に注意しておきたい点は、PC、タブレット、スマホといった、異なるデバイスで正しく表示されているかを確認することです。デバイスによってはレイアウトが崩れて見える場合もあるので、誰がどのような環境で見てもおかしくないようにチェックすることが大切です。加えて、単に公開しただけではほとんど人に知られることはない点にも留意する必要があります。見てもらうためにはSNSなどで宣伝することも重要で、多くの人の目に触れればそれだけチャンスも広がるでしょう。

ただし、限定公開にするケースでは、SNSで広めることは得策ではないので、見に来てほしい人たちにだけポートフォリオの存在を教えるようにします。また、公開しただけで満足せず、常にデザインを改善したり新しく作品を追加したりするなど、公開後にしばしば手をかけることも重要です。

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