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2020.04.13

HPワークステーションとHP ZCentral Remote Boostで3Dデータ変換の作業時間が約1/4に短縮! 理想的なリモート環境で業務効率化を実現

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3Dプリンターがこれからの産業に欠かせない存在として広く取り入れられているのはみなさまご存知の通りだ。しかし、実際の運用ではプリント用のデータが大きく、特にリモート環境での操作に課題を持っている企業が多いのが現実だ。今回紹介するFormlabs株式会社では、3Dプリンター運用に欠かせないコンピューターおよびリモート環境にHPワークステーションと「HP ZCentral Remote Boost(旧RGS:Remote Graphics Software)※」を活用。これまで難しかったリモート環境での3Dプリンティングを大幅に改善しているという。どのように運用されているか伺ってきたので紹介しよう。

※2020年1月より、機能追加とともに「ZCentral Remote Boost」へと改名致しました。現在WebページからダウンロードできるものはRGSですが順次ZCentral Remote Boostへ変更となります。

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Formlabs株式会社
マーケティング部 部長 新井原慶一郎氏

さまざまな人々がデジタルファブリケーションに取り組める環境作りを実現

2011年に米国で創立以来、先進の造形方式「Low Force Stereolithography(LFS)」技術を駆使した高精度・高精細かつコストパフォーマンスに優れたデスクトップ型3Dプリンター「Form 3」をはじめ、3Dプリンター本体および3Dプリンターに適切な指示を出すためのアプリケーションを開発・提供しているFormlabs株式会社(以降、Formlabs)。日本においても、国内最大手のフィギュア製作メーカーである株式会社海洋堂、日産グローバルデザインセンターのサテライトスタジオである株式会社クリエイティブボックス、製品開発業務をトータルにサポートする開発総合支援企業の株式会社日南など、多岐にわたる業界での導入実績を誇っている。

「弊社は、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)内にあるMedia Lab所属の学生たちによって創立されて以来、さまざまな人々がデジタルファブリケーションに取り組める環境作りを目指し、3Dプリンターの開発に特化した事業を行ってきました。3Dプリンター本体はもちろん、3Dプリンターに適切な指示を出すための各種ソフトウェア、さらには造形に必要なレジンと呼ばれるマテリアル素材なども開発・提供しています」と語るのは同社マーケティング部 部長の新井原慶一郎氏(以降、新井原氏)だ。

3Dプリントのプロセスとしては、まずAutodeskのCAD/CAMソフトウェア「Fusion 360」やSOLIDWORKSの3D CAD設計ソフトウェア「SOLIDWORKS」、Pixologicのデジタル彫刻ソフトウェア「ZBrush」などで3Dデータを作成。その3Dデータを読み込み、3Dプリンターで造形可能な形式に変換するのが同社のソフトウェア「PreForm」となる。

「PreFormによるプロセスには、3Dモデルにはないものの造形上で必要な部分を追加する『サポート』構造の生成や、3Dモデルを層に分割する『スライス』なども含まれます。また、複数プリンターの利用や3Dプリントの進捗確認が行える『Dashboard』、3Dプリントの後処理工程を自動化・効率化できる『Form Wash』や『Form Cure』といったアプリケーションや周辺機器も提供しています」と新井原氏は語る。

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3Dプリンターのプロセスについて語る新井原氏

マシンパフォーマンスと運用環境が課題に

3Dデータの作成や変換を行う際、重要になるのがマシンのパフォーマンスだ。3Dデータの作成にはグラフィックス性能が必要不可欠となる上に、CPUの処理能力やメモリ容量も高いに越したことはない。

一方で「PreForm」を用いた3Dデータの変換・転送には、グラフィックス性能よりもCPUの処理能力が求められる。特にスライス処理では、その性能差が顕著に出るのだという。「単純にソフトウェアが動作するというだけなら旧世代のCeleronやPentiumでも問題ないのですが、処理に膨大な時間がかかります。また、メモリに関しては最低でも16GB程度なければ、3Dデータの変換・転送処理にリソースの大半を消費し、他の作業ができなくなってしまいます。ストレスなく作業ができるのはもちろん、全体の作業効率を上げるという意味でも、高いマシンスペックが必要でした」と課題を語る新井原氏。

また、作業がローカル環境に縛られてしまうのも課題のひとつだったという。確かに優れたスペックのマシンを導入すれば、処理にかかる時間は短くなる。しかし、顧客訪問や展示会などでオフィスを離れる機会も多いため、社外からでもそのリソースを有効活用できる方法が必要だったのだ。「画面転送系のリモートデスクトップ・ソリューションを試してみたこともありますが、正直なところ実用に足るレベルではありませんでした。外出先からノートPCでアクセスして資料を閲覧する程度なら問題ないものの、たとえばマウスで3Dモデルの細かい部分を修正したい場合などは、レスポンスの悪さから微調整が難しく、採用を断念しました」と新井原氏は当時を振り返る。

HP ZCentral Remote BoostとHP Z Workstationの組み合わせが最適解に

リモート環境の改善について解決策を考えていた当時、とある展示会で見かけたのが、HPのプログレードリモートソリューション「HP ZCentral Remote Boost」だったという。「このHP ZCentral Remote Boostを使えば、オフィスに設置したワークステーションを『SENDER』、外出先に持ち歩くノートPCを『RECEIVER』とすることで、リモートで進捗状況の確認・管理や次の作業指示などが手軽に行えるようになることが分かりました」と新井原氏。

作業自体はあくまでもローカルのワークステーションで行うため非常に高速な上に、外出先からデータを送るわけではないのでネットワーク環境の影響を受けず、公衆無線LANやスマートフォンのテザリング機能などでも利用可能となる。「実際に展示会でデモンストレーションを見て、そのスムーズさに驚きました」と新井原氏は当時の感想を語る。

また一般的なリモートデスクトップ・ソリューションとは違い、HP ZCentral Remote Boostならセキュリティアラートで画面転送が止まってしまうこともなく、リモートアクセス中にSENDER側の画面を非表示に設定できるのもポイントだという。「不在時の作業内容が周囲に見えないため情報漏えいを防げますし、もしSENDERに不正アクセスがあっても画面が非表示になるので即座に検知できるなど、セキュリティの側面でも非常に優れています」と新井原氏は語る。

HP ZCentral Remote Boostによる運用性の高さを知ったFormlabsは、拡張性・信頼性を備えたHP Z4シリーズ Workstationを導入することに決定。これにより、マシンパフォーマンスに関しての課題も一挙に解決することとなった。「HP Z4シリーズ Workstationを選んだ理由は、弊社の実務に対応できる優れたパフォーマンスを有していたからです。インテル Xeon ファミリーのCPUを搭載し、メモリも最大128GBまでの増設が可能。グラフィックスも用途に応じて自由に選べるなど、拡張性の面でも十分といえます」と新井原氏は導入の手応えを語る。

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HP Z4 G4 WorkstationとHP ZCentral Remote Boostで理想のリモートプリンティング環境を構築

処理時間が大幅に短縮!“不可能”な作業が“可能”になったことは極めて大きなメリット

現在、FormlabsではHP Z4シリーズ WorkstationをSENDERに、外出先からのノートPCをRECEIVERにしてHP ZCentral Remote Boostによるリモート環境で3Dプリンターを動作させている。「実際に使ってみた感想としては、まさに快適の一言に尽きます。外出先のノートPCからでも手軽に3Dデータの確認や3Dプリントの指示出しが行えますし、HP Z4シリーズ Workstation自体のパフォーマンスにも大満足です。たとえば3Dデータの変換は作業時間が約1/4程度に短縮でき、3Dレンダリングの速度も3倍以上に向上しているように感じます」とその感想を語る新井原氏。

そもそも、従来環境ではステータスバーが一向に進まなかったような作業が、HP Z4シリーズ Workstationでは非常にスムーズになったという。「処理時間の大幅な短縮はもちろん、“不可能”な作業が“可能”になったことは、弊社にとって極めて大きなメリットといえるでしょう」。

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導入の手応えを語る新井原氏

また、HP ZCentral Remote Boostはコンプライアンスの観点でも貢献しているという。「私は展示ブースでデモンストレーションを行う機会も多いのですが、普段から業務で使用しているノートPCには機密情報も含まれているため、そうした場へ持ち込むのには抵抗があります。しかしHP ZCentral Remote Boostがあれば、現在は使用していない古いノートPCをRECEIVERにすることが可能です。試しに、3D設計ソフトウェアが起動できないのはもちろん、「PreForm」ですら動くかどうかという古いMacBook Airを使ってみたところ、実にスムーズにデモンストレーションできました」と新井原氏。最新のデバイスを購入しなくとも、眠っていた旧資産の有効活用によって、業務の効率化とコンプライアンスの向上が図れる点も気に入ったという。

「現在、製造業を中心に、より大型の3Dプリンターに対するニーズが増加しています。こうした声を受けて、Formlabsでも大型3Dプリンターの開発を進めており、一刻も早く日本の皆様にお届けするべく準備中です。また、ソフトウェアについても随時アップデートを行い、3Dプリントのスピードや美しさの追求、新しい素材への対応なども進めていきます」と最後に語ってくれた新井原氏。

3Dプリンター本体が大型化するほど据え置き前提となるため、リモートによる進捗管理や作業指示の重要性も高まっていくことが予想される。こうしたニーズを満たせるHP ZCentral Remote BoostおよびHP Workstation Zシリーズの組み合わせは、まさに時代が求めているソリューションといえるだろう。HPはこれからもFormlabsのサポートを通じ、様々な企業の3Dプリンティング環境の改善を図っていく。

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