2019.01.10

大切なファイルを守ろう!無料のソフトでWindows 10 をバックアップする方法

世界的に利用されているMicrosoft社のWindowsOS。2018年現在で最新のWindows 10 は、2015年のリリースから徐々にシェアを伸ばしています。人気のWindows 7 が2020年にサポートを終えるため、今後はWindows 10 が主流OSになってくるのではないでしょうか。ここで気になるのは、Windows 10 のバックアップ方法です。会社のデータを守るためにも、標準搭載されている機能やバックアップ手順、復元方法、エラーの対処方法などを学びましょう。

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1.Windows 10 標準搭載のバックアップ機能

普段の業務で何のトラブルもなくパソコンを使用していると、ついついバックアップについての意識が希薄になってしまうのではないでしょうか。会社で使用しているパソコンには、社内秘情報や顧客情報など、消えては困るデータがたくさん入っています。そうしたデータを保護するために、Windows 10 には、データやシステムのバックアップ機能が標準搭載されています。万が一、重要なデータが消えてしまった場合でも、バックアップの方法を知っていれば、むやみに慌てずに済むでしょう。

1-1.システムの復元

「システムの復元」とは、システムの状態を定期的に保存し、その状態に戻してくれる機能のことです。また、定期的に保存されているポイントを「復元ポイント」と呼んでいます。例えば、ウイルス感染の危険性があるアプリやソフトをインストールした後に、Windows 10 の動きが鈍くなるケースがあります。ブラウザや広告が勝手に開いてしまうトラブルは、その前にアダルトサイトのような怪しげなWebサイトを閲覧していた場合に多くなります。これらのトラブルでは、「システムの復元」が有効です。もし、Windows 10 の動作がおかしくなった場合でも、アプリのインストールやWebサイトを閲覧する前の復元ポイントまで遡れば、動作がおかしくなる前のWindows 10 に戻せます。

1-1-1.設定方法

画面の向かって左下にある「スタート」を右クリックしてから、「コントロールパネル」、「システムセキュリティ」、「セキュリティとメンテナンス」の順に進みます。この後、ウィンドウの右下にある回復ボタンをクリックするとウィンドウが出てきますので、「有効」ボタンをONにしましょう。これで、復元ポイントを自動作成できるようになります。自動作成する場合は、その分、記録する容量が大きくなります。有効ボタンのさらに下にある「ディスク領域の使用量」が設定できますので、復元ポイントの領域を設定しておくと良いでしょう。

1-1-2.復元ポイントから復元する方法

復元ポイントで、Windows 10 を正常な状態に復元する方法を確認していきましょう。まず、スタートボタンを右クリックしたら、「コントロールパネル」、「システムとセキュリティ」、「セキュリティとメンテナンス」と進みましょう。次に、ウィンドウの右下にある回復ボタンをクリックしてから、「システムの復元を開く」ボタンをクリックします。さらに、新しいウィンドウが開いたら、下の方にある「次へ」ボタンをクリックすると、定期的に記録してある復元ポイントが表示されます。「日付と時刻」から戻したい状態を選択して、「次へ」ボタン、「完了」ボタンをクリックして完了です。

1-2.削除・上書きしたファイルの復元

「ファイルの復元」では、パソコンの作業中、誤って削除したり上書きしたりしてしまったファイルを、元の状態に戻すことができます。復元機能を利用するには、外部の記憶装置に自動バックアップするよう設定しておく必要があります。外部記憶装置に自動バックアップしておけば、間違えてファイルを削除してしまっても、元のファイルの取り出しが可能です。工場出荷時のWindows 10 は、ファイルの復元が無効になっているため、有効化しておきましょう。

1-2-1.設定方法

パソコンで設定を行う前に、外部記憶装置を準備しましょう。外付けのハードウェアやUSBメモリ、ネットワークドライブなどが必要です。パソコン本体にもハードディスクが内蔵されていますが、内蔵ハードディスクにバックアップを行っても、パソコン本体が壊れてしまえば元のファイルを取り出すことはできません。そのため、ファイルの復元では、内蔵ハードディスクへのバックアップはできないようになっています。

ファイルの復元を設定する手順を紹介します。スタートボタンを右クリックしたら、「コントロールパネル」、「システムとセキュリティ」、「ファイル履歴」まで進みます。「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」をクリックしたら、新しくウィンドウが開きます。左メニューにある「ドライブの選択」クリックしたらバックアップ先を選択して、「OK」をクリックしましょう。

1-2-2.ファイル履歴を使用して復元する方法

個別にファイルを復元する方法を確認していきましょう。スタートボタンを右クリックしたら、「コントロールパネル」、「システムとセキュリティ」、「ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存」まで進みます。左メニューに「個人用ファイルの復元」があるので、クリックしましょう。新しくウィンドウが開いたら、目的のファイルを探します。ウィンドウの下の方にある左右の矢印ボタンは、左が過去、右が現在を意味しています。該当ファイルをクリックしてから、中央にある更新ボタン(緑色の円形ボタン)をクリックしましょう。別のウィンドウで「どのファイルを保存しますか?」と表示されたら、復元させたいファイルの段階を選んで保存します。

1-3.注意点

ファイル履歴のバックアップ機能は、Windows 10 と同じドライブにインストールされているファイルのみに有効です。ネットワークドライブや外付けドライブなどでは、利用できない点に注意しましょう。また、バックアップのタイミングによっては、ファイルを戻しすぎてしまう場合があります。必ずしも、Windows 10 の動作がおかしくなったり、ファイルを削除してしまったりする直前の状態に戻せる訳ではありません。

1-4.回復ドライブの作成

回復ドライブとは、何らかのシステムトラブルでWindows 10 が起動しなくなった場合に、緊急で起動できるようにする仕組みのことです。OSはコンピューターを動作させるために必須のソフトです。Windows 10 が起動できなければ、パソコン自体使えなくなってしまいます。緊急時に備えて外部メディアを作成する必要があります。「回復ドライブ」はUSBメモリを使って作成する場合の名称で、CD-Rの場合は「システム修復ディスク」と呼びます。名称は違いますが、どちらも同じ機能です。

2.Windows 10 バックアップに必要なもの

Windows 10 に標準搭載されているバックアップ機能には、実行するためにそれぞれ別途必要なものがあります。「システムの復元」を行う場合は、ハードディスクの空き容量が必要です。復元ポイントを自動作成する場合は、容量が足りなくなる可能性もあります。最低でも、500MBの空き容量を用意しておきましょう。

「ファイル履歴」を利用する場合は、ネットワークドライブと外付けハードディスクなどの外部記憶装置を用意します。ファイルの記録は時系列順でバックアップしていきますので、数GB規模の空き容量が必要です。

「回復ドライブ」の場合は、CDかDVDに読み書きができる光学ドライブと、CD-RもしくはDVD-Rを1枚準備しましょう。さらに、CD-RやDVD-Rよりも容量の大きいUSBメモリも必要です。

3.Windows 10 で回復ドライブを作成する方法

Windows 10 が起動しない場合に、回復ドライブを作成する方法を見ていきましょう。まず、USBメモリをパソコンに挿入したら、検索欄に「回復ドライブ」と入力して「回復ドライブの作成」をクリックします。パソコンをインターネットに接続していない場合は、「コントロールパネル」から「システムとセキュリティ」、「セキュリティとメンテナンス」、「回復」、「回復ドライブの作成」の順で進んでいきます。

ユーザーアカウント画面が出たら「はい」を選択しましょう。「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。新しくウィンドウが開いたら、データ削除の警告メッセージが表示されます。そこで「作成」をクリックして、回復ドライブが作成されれば大丈夫です。作成完了までは1時間以上かかる場合もあるので、時間がかかりすぎても不安になる必要はありません。

4.Windows 10 でシステムイメージのバックアップを取る

システムイメージとは、Cドライブをコピーしたものです。Cドライブとは、パソコンに内蔵されているローカルディスクのことで、主にソフトウェアを保存しています。Windows 10 にDドライブをインストールしていない場合は、バックアップができません。

システムイメージでバックアップを取るには、スタートボタンから「設定」、「更新とセキュリティ」、「バックアップ」、「バックアップと復元に移動」の順に進みます。次に、「システムイメージの作成」をクリックして、ハードディスク上から保存先のハードディスクを選びましょう。保存先に間違いがないかを確認したら、「バックアップの開始」をクリックします。

バックアップが完了したら「システム修復ディスクを作成しますか?」というウィンドウが出るので、「いいえ」をクリックしましょう。バックアップの開始から完了までは、30分程度かかります。

5.Windows 10 バックアップに失敗したときの解決方法

Windows 10 のバックアップでは、手順通り行っても失敗してしまうケースがあります。メッセージやエラーコードが出た場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。失敗してしまった理由は状況によって異なりますが、ここでは基本的な対処法について解説していきます。

5-1.一般的な対処方法

バックアップファイルの保存先であるドライブが、NTFSでフォーマットされているかチェックします。NTFSとは、ファイル管理を行う仕組みのことです。また、ディスクの空き容量があるかどうかも確認しましょう。

まず、復元ポイントを削除したら、Windows 10 の「システムの保護」を無効にします。WindowsロゴキーとSキーを同時に押してから、検索窓に「System」と入力しましょう。次に、「システム」をクリックすると、ウィンドウが新しく開きます。ウィンドウの左にある「システムの保護」をクリックしてから、「構成」、「システムの保護を無効にする」の順に進み、削除をクリックしましょう。

5-2.対処方法を試しても解決しないときは

一般的な対処方法で解決しない場合は、2つの可能性が考えられます。1つは、ハードディスクの部分的な故障です。コンピューターからドライブへアクセスする際に起こる失敗は、ハードディスクの一部分で読み込みや書き込みができなくなる不良セクタや不良クラスタが原因の可能性があります。ほかのソフトをすべて閉じてからパーティションサイズを変更して、ハードディスクを工場出荷時の設定にしましょう。

もう1つは、パソコン自体の劣化です。5年以上使っているパソコンであれば、さまざまな部分が劣化している恐れがあり、故障の前兆かもしれません。一時的に修復できても、すぐにトラブルが再発して繰り返す可能性があります。早めに必要なファイルをUSBメモリに移したり、アプリのライセンスを控えたりなどの作業を行いましょう。

6.無料のWindows 10 オンラインストレージサービスを利用

インターネットを利用したオンラインストレージサービスは、すでに多くの個人や企業で利用されています。無料で使用できるオンラインストレージサービスも複数あります。とても便利なサービスなので、もし、使用したことがないなら、一度利用を検討してみましょう。

6-1.オンラインストレージサービス3 つの用途

オンラインストレージサービスとは、インターネット上でファイルを保管、共有するサービスのことです。もし、ファイルを誤って削除したり上書きしてしまったりしても、オンラインストレージサービスなら簡単に復元できます。バックアップをするだけなら、Windows 10 に標準搭載されている機能だけでも十分でしょう。しかし、オンラインストレージサービスには、標準にはない機能があり、用途別に便利な使い方が可能です。

6-2.共有と共同作業

オンラインストレージサービスには、共有機能があります。異なるOSやデバイスから簡単にアクセスでき、ストレージに保存したファイルの閲覧や編集が可能です。1つのファイルに対して、複数のユーザーがアクセスしたり作業したりできる共同作業機能もあります。複数のデバイスをチームで共有したりファイルの交換を行ったりする場合は、共有機能や共同作業機能が大変役に立つでしょう。

6-3.Dropbox でバックアップ

有名なオンラインストレージサービス、Dropboxでは、ウェブ版とアプリ版を提供しています。Dropboxにファイルを保存しておけば、ファイルの上書きや削除などの失敗があっても、簡単に対応できます。保存方法は、パソコン上にあるDropboxフォルダに、ファイルをドラッグ&ドロップするだけです。パソコンに詳しくない人でも、スムーズに使用できるのがメリットです。

7.Windows 10 のバックアップ設定をして万が一に備えよう

Windows 10 に標準搭載されているバックアップ機能は、データごとの使い分けが可能です。ただし、バックアップ機能を使用するには、事前に設定しておく必要があります。ファイル損失やデータ削除のようなトラブルは、業務を行う上では極力避けたいトラブルです。ぜひ、バックアップ機能の設定を行い、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。

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