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2019.04.03

Windows 10 のSモードを企業が活用するメリットとは?

Windows 10 にはさまざまな便利機能がそろっています。業務で使う場合にはProエディションに興味を持ち、検討している企業も多いでしょう。Windows 10 には、「Sモード」と呼ばれる動作モードがあります。この記事では、Windows 10 のSモードはHomeエディションやProエディションとはどう違うのか、また、企業がWindows 10 のSモードを活用することでどんなメリットが期待できるのか、使用時の注意点などについても紹介していきます。

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1.Windows 10 のSモードとは?

Windows 10 のSモードをわかりやすく説明すると、セキュリティとパフォーマンス性に特化したモードであると言えます。Sモードの一つめの特徴は、Microsoft Store(以降Windows ストアと表記)に存在するアプリしか使用しないことです。これによって、データやPCに不具合を生じさせるようなアプリを排除することが可能になります。もちろん、Windows ストアで扱っているアプリ以外のものは質が悪いということではありません。要は互換性の高いアプリを使うことで安定性を図り、セキュリティ面にも特化できるということです。本来はインストールする必要がないようなアプリやサービスを増やしてしまうことを防ぎ、PCから省くことによって、高速で、なおかつ安全性の高い動作環境を提供してくれるでしょう。

2.Windows 10 のSモードとHome/Proとの違い

Windows 10 には、Sモード以外にHomeエディションとProエディションという2つのエディションがあります。この2つについてはさまざまなサイトでも紹介されていることが多く、知っている人は多いでしょう。また、すでに導入している企業も多いかもしれません。この段落では、Windows 10 のSモードと、Windows 10 の Homeエディション、Proエディションではどう違うのかを紹介していきます。

2-1.Sモード

Windows 10 のSモードでは、Windows ストアで扱っている以外のアプリは使えないという説明をしましたが、そもそも、他のアプリはインストールできない仕様になっています。Windows ストアに並ぶアプリと、Win32 Centennialのみが動作可能です。Win32 Centennialとは「Desktop Bridge」を指すもので、「Desktop Bridge」を利用したアプリなどもWindows ストアに並んでいるのが見受けられます。

また、Windows 10 のSモードの場合、使用できるブラウザは「Microsoft Edge」のみです。検索エンジンについても制限があり、「Bing」しか利用ができません。選択肢が限定されてしまうとやや不便に感じるかもしれませんが、「Bing」の特徴の一つとして成人サイトなど未成年者に有害と思われるコンテンツを検索結果から外せるという機能があります。そのため、こういったコンテンツを除外したい場合に適していると言えるでしょう。

2-2.Home/Pro

ここでは、HomeエディションとProエディションの特徴について、それぞれ説明していきます。まず、この2つに共通しているのは、Sモードでは制限されているWindows ストア以外のアプリでもインストールが可能という点です。検索エンジンも、Googleをはじめ、好きな検索エンジンに自由に切り替えることができます。ブラウザに関しても同様で、1つに固定されているということはなく、変更は可能です。Sモードに比べると自由度が高いという印象を持つでしょう。

Homeエディションは家庭向け、Proエディションは企業など業務向けという位置付けがされています。そのため、この2つに関しても利用については多少の違いがあります。Homeエディションの場合は家庭向けというだけあり、Sモードで利用可能な「ビジネス向けWindows ストア」や「Azure ADドメインの参加」などは利用できません。

3.企業がWindows 10 のSモードを活用するメリット

Windows 10 には業務に適したProエディションが用意されていますが、Sモードの使用は企業にメリットをもたらす部分がたくさんあります。ここでは、なぜWindows 10 のSモードが企業に向いているのか、そしてどんなメリットがあるのかを紹介していきます。

3-1.起動時間が早く作業スピードの向上につながる

質のよい業務をこなすには正確性も重要ですが、現代において求められているのはスピーディーな対応です。必要な情報を必要なときにスムーズに提供できることが、ビジネスを成功させるうえで不可欠な条件と言えるでしょう。それを実現させるのが、Windows 10 のSモードなのです。Sモードは起動時間が速く、その分社員の作業効率を向上させ、業務のパフォーマンスのアップも期待できます。さらに、起動後も超高速なまま動作が維持され、安定したスピードのままストレスなく作業に取り組めます。

3-2.社員が無許可のアプリをインストールするリスクを軽減できる

Windows 10 のHomeエディションとProエディションは、特に問題なくWindows ストア以外のアプリをインストールすることが可能です。何でもインストールできて利用できるということは、一見とても便利に受け取ることもできます。しかし、業務で使うデバイスとして考えた場合、決してそうとは言えません。中には、よくわからないアプリが紛れていることも想定できますし、企業では許可されていないアプリも存在します。制限がない状態では、いつ、誰が問題のあるアプリをインストールしてしまうかわかりません。故意か過失かに関係なく、企業にとって不都合な事態につながることも考えておく必要があります。

その点、Sモードでは、Windows ストア以外のアプリはインストールできないように制限されているため、間違えて不要なアプリを入れてしまうことを回避できるのです。つまり、Sモードを使うだけで、問題のあるアプリをインストールする危険性から守れるということになります。これは企業にとって、リスクを回避するための大きなメリットではないでしょうか。

3-3.セキュリティ面に優れており安全に利用ができる

Windows 10 のSモードは、検索エンジンを「Bing」に固定することで成人サイトなど未成年者に見せたくないコンテンツを除外でき、主に教育機関向けのOSと言えます。しかし、このセキュリティの優れている点をあげれば、企業も導入しやすい部分は大きいのです。成人向けのコンテンツには、好ましくないポップアップ広告などが張られていることが多いのもその理由でしょう。業務でPCを使う社員の中には、プライベートではあまりPCを使う環境になく、有害コンテンツの対処法について正しい知識を持っていない社員もいるかもしれません。

Sモードの安全面は、他にもあります。業務で利用する場合、WordやExcel、PowerPointなどOffice製品を使う企業は多いものですが、Microsoft社が提供するアプリは、すべてMicrosoft社が安全性について検証済みです。そのため、安心して業務に集中することができます。Office製品の場合でいえば、アップデートに関してもこまめに行うことができ、常に最新で最良のパフォーマンスが期待できるでしょう。

3-4.クラウド上にもデータを保存できる

業務を進めていくうえでありがちなのは、社員同士でファイルやデータを共有することです。企業によっては、外部の人間もプロジェクトの一員として参加している場合もあるでしょう。そのようなときに、メールでデータ送信をするのは情報漏洩などの危険な面もあり、データ容量によっては送受信に不具合が生じることもあります。データ共有がスムーズにいかないと、そこで業務がストップしてしまう心配も出てきます。

実は、データやファイルの共有をスムーズにしてくれるのがSモードなのです。「Dropbox」や「OneDrive」 のような、オンラインストレージサービスを活用でき、さまざまな場所に分散している社員やプロジェクトのメンバー同士でデータやファイルの共有が簡単にできます。「Dropbox」や「OneDrive」はWindows ストアからインストールが可能です。

3-5.マルチタスク機能も利用でき作業がしやすい

Sモードが企業に向いている理由としてあげられるのは、マルチタスク機能がそのまま利用できることにもあります。Windows 10 のSモードでは、ブラウザや検索エンジンなどが制限されてしまう機能はありますが、マルチタスク機能に関しては制限されることがありません。そのため、従来通り、複数の作業を同時にこなすことも可能なのです。マルチタスク機能には、タスクビューや仮想デスクトップなどがあるので、これらを上手に活用すれば、さらに作業効率が高まり、企業の業績アップにつながるかもしれません。

4.Windows 10 のSモードを活用するときの注意点

実際にWindows 10 のSモードを利用するには、いくつかの注意点があります。この段落では、Sモードをより便利に使うためには、どのような部分に気をつけたらいいのかを紹介していきましょう。

4-1.検索エンジンはMicrosoft EdgeのBingしか使えない

一つめの注意点としては、Sモードでは検索エンジンは「Bing」しか使えないという点です。「Bing」で固定されてしまっているので、この点はしっかり念頭に置く必要があります。Windows 10 のSモードでは、「Yahoo」や「Google」は使うことができません。そのため、普段の仕事で「Yahoo」や「Google」で情報収集を行っている人は不便を感じることもあるでしょう。例えば、同じキーワードを検索した場合でも、表示される順番に違いが出ることがあります。

4-2.Windows ストア以外のアプリケーションは利用できない

Windows 10 のSモードでは、Windows ストア以外のアプリは利用できないことも注意点の一つです。Windows ストアで扱っているアプリしか使用しない場合は問題ありませんが、他のアプリが必要になったときには不便を感じるでしょう。もちろん、業務上で使う場合は個人的に興味のあるアプリを入れる必要はないので、利用できないことで自然に制限される点はメリットです。しかし、業務を遂行するうえでどうしても必要なアプリが出てきたときには、インストールするためにSモードを解除しなければなりません。

4-3.一度解除するとSモードは使えなくなる

Windows 10 のSモードにしても、必要なときは解除できると安易に考えてはいけません。実は、これも注意点の一つと言えます。Sモードは、一旦解除してしまうと、その後は二度と切り替えることができないのです。ですから、検索エンジンやブラウザを変更したいという理由でSモードを解除する際は慎重に決める必要があります。

4-4.ウィルス対策ソフトも使用しておく

Windows 10 のSモードは余計な機能がなく、必要最低限の機能で起動できる分、セキュリティの面でも安心しやすいと言えます。ただし、だからといって何も対策をしなくていいということではありません。安全だからこそ、セキュリティ対策をとっておけばさらに万全な環境を確保できるでしょう。インターネットを接続してPCを使う以上、セキュリティを高めるためにも、ウィルス対策ソフトを入れておくことは必須と言えます。Sモードに対応したウィルス対策ソフトは、Windows 10 に付属している「Windows Defender セキュリティセンター」から操作して使用することができます。

4-5.周辺機器の機能に制限がかかるケースがある

Windows 10 のSモードを使用すると、プリンターなど周辺機器の機能が制限される場合があります。もちろん、基本的には周辺機器の利用は可能ですし、使用自体は特に問題はありません。互換性の問題で生じる不具合や機能制限は、PCを使ううえでは起こりやすい問題です。Sモードを使っていてプリンターやスキャナなどの利用に当たって制限された場合は、周辺機器のメーカーに問い合わせをするなどの対応をしましょう。

5.Windows 10 のSモードの解除の仕方

Sモードを使っていて、業務に必要なアプリのインストールができない、または、どうしてもブラウザや検索エンジンの変更が必要になったという場合は、Sモードを解除しましょう。そのために、この段落では、Sモードの解除方法について説明します。はじめに、スタートメニューから「設定」を選択し、続いて「更新とセキュリティ」をクリックします。次に「ライセンス認証」を開き、「Windows 10 Home に切り替える」か「Windows 10 Pro に切り替える」のいずれかのセクションから「Microsoft Storeに移動」を選択しましょう。ここまできたら「Sモードをオフにする」の画面が表示されるので、あとは「入手」をクリックすれば解除は完了です。

注意点の段落でも書いてきましたが、Sモードは一旦解除してしまうと戻すことはできません。ですから、解除に関しては慎重に考えてから実行しましょう。その前に、Windows 10 のSモードのメリットをしっかり把握し、業務に使ううえでどのように便利になるかどうかをあらかじめ考えてから活用するほうがいいかもしれません。ポイントは、セキュリティ面とブラウザの制限、そして検索エンジンの制限です。これらを考えて、実際どこまで便利に使えるのか、業務内容に合っているかを考えてから使いましょう。Windows ストアにあるアプリをチェックしておくのもいいかもしれません。

6.企業でWindows 10 のSモードを活用しよう!

Windows 10 のSモードは、HomeエディションやProエディションに比べると機能面が少ない傾向がありますが、その分セキュリティの高さが期待できるというメリットがあります。また、実際に業務に使うPCの場合、業務に必要な機能以外はじゃまになることも珍しいことではありません。必要最低限の機能やアプリしか入れていないというPCは多いものです。何より高速起動ができるという点と、高速通信を維持したまま作業できるという点では、社員の作業効率を高めることにつながります。企業にそぐわないアプリのインストールを回避でき、社員に直接働きかけることなくセキュリティを強化したいと考えている企業にも向いていると言えます。作業の効率化とセキュリティ面を重視したいなら、Windows 10 のSモードを検討してみましょう。