2019.04.12

Windows 10 の付箋アプリで何ができる?活用するメリットなどを解説

さまざまな機能がついているWindows 10 には、付箋アプリが標準で搭載されています。紙の使い勝手をそのままに、デジタルの便利さをプラスした付箋アプリは、遊び心も詰まっていて楽しい使い方ができます。業務などの作業にも重宝するでしょう。この記事では、企業で付箋アプリを活用するメリットや実際の使い方などについて紹介していきます。

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1.Windows 10 の付箋アプリとは?

ここでは、まずWindows 10 の付箋アプリの概要について説明していきます。Windows 10 の付箋アプリとは、アプリを利用してデスクトップ上に付箋のようなメモを残せる機能のことです。色使いや形状も紙でできている付箋そっくりにデザインされており、楽しく使うことができます。Windows 10 のこのメモ機能は、2016年8月3日にリリースされた「Windows 10 Anniversary Update」からは、名称が「付箋」から「Sticky Notes」に変更されています。名称は変わっていますが、それ以前の「付箋」から使用していた内容については引き継がれるので心配は要りません。

2.企業がWindows 10 の付箋アプリを活用するメリット

デザインもユニークで、いろいろ便利に使えるWindows 10 の付箋紙機能は、企業が活用することでどのようなメリットがあるのか紹介していきます。

2-1.タスク・スケジュール管理ができる

メリットの一つは、タスクやスケジュール管理がしやすいことです。仕事の優先順位や重要度が見ただけですぐにわかれば、仕事の効率化が図りやすく、うっかり忘れてしまうことも回避できるでしょう。デジタルツールでスケジュール管理をするときに優先順位をつけたい場合は、アラーム機能などを使うこともありますが、Windows 10 の付箋機能は色分けもでき、一目でわかりやすいところが実用的です。タスクが完了すれば簡単に削除ができ、ゴミが出ることもありません。

2-2.経費削減につながる

Windows 10 の付箋は、経費削減につながるのもメリットの一つです。紙の付箋を使う場合は、なくなれば新しい付箋紙を購入しなければなりません。購入費用は他の文具に比べて安価なものが多いですが、1年単位で考えると経費としてはばかになりません。社員数が多い企業になると相応の購入費用がかかります。その点、Windows 10 の付箋アプリなら無料で利用することができ、経費削減につながるのです。しかも、付箋アプリはWindows 10 に標準搭載されているため、誰でもすぐに使えます。

2-3.付箋をなくす心配がない

紙媒体のメモの場合、うっかり紛失させてしまうこともあります。特に急いでいるような場合には、書類の間などに挟んだまま違う場所に移動させてしまったり、誤って捨ててしまったりすることもあるでしょう。メモに取引先の連絡先などを記載している場合には、確認がとれなくなってしまい、業務にも支障が出るかもしれません。その点、Windows 10 の付箋アプリなら、メモをとるときから管理までがすべてパソコン上です。なくしてしまうというトラブルを防ぎやすくなります。また、付箋アプリではバックアップ機能も利用でき、安全なメモの管理が可能です。

2-4. アイディアのストックを手軽に行える

紙の付箋を使うデメリットの一つは、知らないうちに剥がれて紛失する場合もあることです。例えば、せっかく仕事中によいアイディアを思いつき、付箋やメモをとっておいても、どこかに紛れてしまったり間違えて捨ててしまったりすることもあります。しかし、デジタルの付箋なので、そのままパソコン上でアイディアをメモとして残しておけます。一度アイディアをメモしておけば、いつでも好きなときに管理画面から表示させて確認できるのもメリットです。もし、どこに入れたかわからなくなってしまっても、付箋アプリなら管理画面からキーワード検索ができ、必要なメモを簡単に探せます。

2-5.会議やミーティング時のメモに使える

付箋アプリは、会議やミーティング中にもその利便性を発揮することができます。会議やミーティングの中でメモをしたいときにノートなど紙媒体に手書きをする場合は、意外と時間がかかりやすいものです。また、大きさのバランスがうまく取れず、きれいに入りきらないなど、話を聞くことに集中できないこともあるでしょう。その点、Windows 10 の付箋アプリなら、誤字や脱字の心配も少ないうえに、きれいにそろった文字で手軽にメモがとれます。さらに便利なのは他の社員と共有ができることです。マイクロソフトアカウントさえあれば、複数のWindows デバイスでメモの共有が可能になります。社員同士で共有すれば、会議やミーティングに参加できなかった人でも情報が把握できます。

3.Windows 10 の付箋アプリの起動方法について

便利な付箋アプリを活用するには、まず起動させなければなりません。ここでは、Windows 10 の付箋アプリを起動する方法について紹介していきます。

3-1.スタートメニューから起動する

はじめに、「Windows 」のマークをクリックします。続いて、 アプリ一覧の中にある「S」のメニューから「Sticky Notes」を見つけ出し、クリックすれば起動できます。

3-2.アプリ名を検索して起動する

付箋アプリを起動させる方法はもう一つあります。検索ボックスを使う方法です。まず検索ボックスに「St」の2文字を入力しましょう。これは「Sticky Notes」の頭文字で、全部打たなくても簡単に検索ができます。こうすることで、「最も一致する検索結果」の一覧に「Sticky Notes」が表示されます。あとは「Sticky Notes」をクリックして起動させましょう。

3-3.「Windows lnk ワークスペース」から起動する

付箋アプリを起動させる方法は、もう一つあります。この方法も知っていると便利なので、覚えておきましょう。まず「Windows」キーを押しながら、同時にWキーを押します。すると「Windows lnk ワークスペース」が開くので、その中のメニューから「付箋」をクリックして起動させれば完了です。ただし、この方法には注意点があります。ワークスペースの中では、名称が「付箋」のままになっているので間違えないようにしましょう。

4.Windows 10 の付箋アプリの基本的な使い方とは?

起動方法がわかったところで、ここからはWindows 10 の付箋アプリの使い方について説明していきます。基本的な部分なので、しっかり覚えましょう。

4-1.付箋の追加・削除

まずは、付箋の追加と削除機能です。新しい付箋を追加するには、付箋の左上にある「+」のマークを選択します。これだけで新しいメモの立ち上げができます。この他に、タスクバーのアイコンを右クリックすることで「新しいメモ」を選択する方法もあるので試してみましょう。削除したい場合は、付箋の右上にある「・・・」を選択してから、「メモの削除」をクリックすれば簡単に削除できます。

4-2.色を変更する

色の変更ができると、自分の中でスケジュールを分けたり、優先順位をつけたりと、管理がしやすくなります。色を変更するには、付箋の右上にある「・・・」を選択すれば可能です。ページの上部に黃色や緑色、ピンクなどの明るい色から灰色まで、全部で7種類のカラーがそろっています。ここから自由に希望する色を選択することで色の変更ができます。

4-3.付箋画面の非表示

メモの内容を確認したあとなど、付箋画面を非表示にしたいときには、タスクバーの右端をクリックします。または、付箋のアイコンをクリックしても非表示にできます。また、メモそのものを閉じたいときには、付箋の右上にある「×」をクリックするだけで簡単に閉じることが可能です。

4-4.インサイトを有効にする

インサイト機能を有効にするには、「すべてのメモ」の右上にある歯車マークをクリックすれば、設定画面を開くことができます。「すべてのメモ」は付箋の「・・・」を使って表示させることが可能です。「全般」のメニューにある「インサイトを有効にする」は初めはオフになっているので、ここをオンに変更すれば完了します。インサイトとは、付箋をコルタナと呼ばれる音声アシスタントと連携させることで、リマインダー機能などを持たせることができるものを言います。ただし、日本語版Windows 10 は非対応です。

4-5.付箋の大きさ・場所を変更する

付箋アプリは、メモの大きさを変えることができます。大きく表示させたいときや、小さめにしておきたいときなど、自由に設定を変えてみましょう。付箋の大きさを変更するには、付箋をドラックするだけです。その場で見ながら直感的に操作できるので、好きなサイズに設定できます。例えば、横の大きさだけを変えたいときには、右端を左右にドラッグします。縦の大きさを変更するときは、下の端を上下にドラッグするだけです。場所の移動も自由にできるので、やってみましょう。付箋の上部をクリックし、そのままマウスを動かしていけば、どこでも自由に移動できます。

5.Windows 10 の付箋アプリのショートカットキー

付箋アプリは、ショートカットキーも使えます。付箋の下には、メモの書式アイコンが表示されています。ショートカットキーを使えば、作業が効率的になるでしょう。

では、基本的なショートカットキーを紹介します。

太文字にする場合には「Ctrl + B」でできます。
斜体にする場合には「Ctrl + I」で可能です。
文字に対して下線を追加する場合は「Ctrl + U」、リスト化する場合には「Ctrl + Shift + L」、文字に対して打ち消し線を追加するときには「Ctrl + T」でできます。

6.Windows 10 の付箋アプリのバックアップと復元の仕方

Windows 10 の付箋アプリは、バックアップ機能もついています。ここでは、Windows 10 の付箋アプリのバックアップの方法と復元方法について説明していきましょう。

6-1.バックアップ

バックアップをとるには、まず「スタート」をクリックしてから「W」のメニュー一覧を出します。
次に「Windows システムツール」をクリックしたら、ここで「PC」を選択しましょう。
続いて「デバイスとドライブ」から「Windows (C:)」を選択します。次に「表示」をクリックしたら、「隠しファイル」にチェックを入れておきます。
「ユーザー」、「(ユーザー名)」、「AppData」、「Local」、「Packages」、「Microsoft.MicrosoftStickyNotes_8wekyb3d8bbwe」、「LocalState」と順番にフォルダを開いていき、「LocalState」を表示させます。
次に「plum.sqlite」ファイルをコピーしておきましょう。
ファイル名は変更せず、最後に任意の場所にペーストしてバックアップしておけば完了です。

6-2.復元

ここでは、誤ってメモを消してしまったときに便利な復元方法を説明していきます。

はじめに「スタート」をクリックし、「W」のメニュー一覧から、「Windows システムツール」を選択して「PC」をクリックしておきます。
次に「デバイスとドライブ」から「Windows (C:)」を選択して「表示」をクリックしましょう。ここで、「隠しファイル」にチェックをしておきます。
「ユーザー」、「(ユーザー名)」、「AppData」、「Local」、「Packages」、「Microsoft.MicrosoftStickyNotes_8wekyb3d8bbwe」、「LocalState」の順番に「LocalState」フォルダを開きます。
さらに、バックアップファイルの「plum.sqlite」を「LocalState」フォルダにドラッグ&ドロップさせましょう。
ここまで進んだところで「ファイルの置換またはスキップ」が表示されます。
あとは「ファイルを置き換える」をクリックすれば完了です。

7.Windows 10 の付箋アプリでよくあるトラブルと対処方法

付箋アプリにもトラブルが起こる場合があります。ここでは、Windows 10 の付箋アプリの利用で起こりやすいトラブルと対処方法について紹介していきましょう。

7-1.Windows 10 の付箋アプリが消えた

Windows 10 の付箋アプリでは、使用中にメモが消えたというトラブルの事例が報告されています。付箋アプリが消えた原因については、2016年に実施されたアップデートで表示方法が「Sticky Notes」に変更になったことが原因です。そのため、スタートメニューのアプリ一覧の「S」の項目から使うことが可能なので、消えてしまったときには確認してみましょう。

7-2.文字のコピーができない

Windows 10 の付箋アプリで多いトラブルの一つに、文字のコピーができないというものがあります。通常は対象の文字を右クリックすると「コピー」のメニューが表示されますが、それができなくなる現象のことです。コピーができなくなったときには、使用中の付箋の色を変更すると可能になります。

7-3.インストールされていない

Windows 10 の付箋アプリは、標準で搭載されています。ところが、まれにインストールされていないケースもあります。見つからない場合はインストールされていないケースが考えられるので、そのときはWindows ストアから「StickyNotes」を検索し、インストールしておきましょう。「Sticky Notes」は無料で利用できます。

7-4.日本語入力ができない

付箋アプリは、日本語入力ができないというトラブルも報告されています。インプットメソッドを「ATOK」もしくは「Google日本語入力」を選択していることが原因として考えることができます。この場合の解消方法は、インプットメソッドを「Microsoft IME」に変更すれば解決します。インプットメソッドとは、例えば日本語のような、キーボードで直接入力できないようなものを入力可能にするソフトのことです。

7-5.Windows 7の付箋アプリをWindows 10 へ移行できない

Windows 7の付箋データを、Windows 10 に移行できないというトラブルも確認されています。この場合の対処方法は、USBメモリを使うと簡単です。まずWindows 7の付箋データをUSBメモリにコピーし、移行先のWindows 10 でバイナリエディターを使用すれば移行できます。

7-6.フォントサイズが変更できない

実は、2016年にアップデートされる前の付箋アプリではフォントサイズが変更できるようになっていました。ところが、「Sticky Notes」ではフォントサイズの変更ができません。この問題は根本の解決方法がないため、重要な文字はサイズを大きくする代わりに「太文字」や「下線」を活用して目立たせるなどの工夫をしましょう。

8.Windows 10 の付箋アプリを仕事で活用しよう!

Windows 10 の付箋アプリは、紙の付箋と変わらない利用方法ができる点が便利です。色を自由に変えられるうえに表示サイズも変更でき、紙とデジタルのよい部分を併せ持っています。普段の仕事の中で有効活用することで、業務の効率化が図れるでしょう。さまざまなトラブルも確認されていますが、その他にも付箋アプリの使い方などに疑問があれば、日本HPのカスタマーサポートで問い合わせも可能です。毎日の仕事に便利で楽しい付箋アプリを活用してみましょう。