2019.04.12

Windows 10 の再インストールの方法と事前に準備しておくこと4選

社内でWindows 10 を使っているとき、不具合が起こる場合があります。そんなときには、再インストールを行うのも解決方法の一つです。しかし、再インストールをしたことがないと、いきなり実行するのは不安かもしれません。そこで、この記事では、再インストールを行う方法と注意点、事前に準備しておきたいことなどについて詳しく紹介していきます。

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1.Windows 10 の再インストールとは何か?

Windows の再インストールとは、ハードディスクを初期化することで、パソコンを工場出荷時の状態に戻す作業のことです。ハードディスクを初期化することは、不具合が起こったときに実行することの多い解決方法なので、覚えておくといいでしょう。Windows 10 の再インストール方法は「クリーンインストール」に「アップグレードインストール」、そして「新たに開始」の3つの方法があります。通常はさまざまなデータが保存されていますから、「データを引き継ぎたい」場合や「なるべく時間をかけずに行いたい」といった目的に応じてインストール方法を選びます。

2.Windows 10 で再インストールを行う目的とは?

Windows 10 を再インストールする目的にはさまざまなものがあります。再インストールするのは、主にPCの動作が遅くなった場合や不具合が生じている場合などに、その原因となっている問題を改善するために実行します。解決方法といっても、工場出荷時の状態に戻すものなので、そう頻繁に行うものではありません。どうしても解決できないような不具合が起こったときの方法として限定しておきましょう。不具合が起こったとき以外にも、ハードディスクの中のデータをすべて綺麗な状態に戻して新しく使いたいときにも実行されます。

3.Windows 10 の再インストールを行う前に準備しておくこと

Windows 10 の再インストールを行う前には準備が必要です。ここでは、Windows 10 の再インストールを行う際、事前に準備しておきたいことについて紹介していきます。

3-1.ファイル・データのバックアップを行っておく

はじめに注意しておきたいのは、バックアップです。当然ですが、クリーンインストールするということは、一度保存したデータはすべて失われてしまいます。アプリなども消えてしまうので、クリーンインストールをしたら再びインストールが必要です。そのため、大切なデータやファイルのバックアップは必ず行っておきましょう。アップデートインストールに関してはデータはそのまま引き継がれますが、万が一に備え、念のためバックアップをとっておくと安心できます。

3-2.周辺機器をすべて外しておく

Windows 10 の再インストールを実行する前には、パソコンの周辺機器は外しておきましょう。外付けのハードディスクなどはもちろん、キーボードやマウスも外しておきます。再インストールをする際にキーボードやマウスなど周辺機器を接続したまま行うと、失敗してしまう可能性があるからです。

3-3.ライセンス認証のためにプロダクトキーの確認をしておく

再インストールの前には、プロダクトキーを確認しておくことも忘れてはいけません。ただし、ライセンス認証されているパソコンを再インストールする場合なら、インストールが完了した後も自動的にライセンス認証されるため、プロダクトキーを必要としないこともあります。ライセンス認証とは、Windows が正規品であるかどうかを確認するために必要なものです。マザーボードを交換した場合や、パソコンのハードウェアを変更した場合には、プロダクトキーが必要になるケースが多いので、必ず確認しておきましょう。また、マザーボードとはパソコンの内部に組み込まれているもので、パーツ間の回路の橋渡しのような役割をする基盤のことです。

3-4.インストールディスクを作成しておく

事前準備として、インストールディスクを作成しておきましょう。インストールディスクとは、「クリーンインストール」と「アップグレードインストール」を行うために必要になるもので、インストールメディアとも言います。インストールディスクは、マイクロソフト社が提供しているツールを利用して作成します。利用するメディアはUSBメモリかDVDディスクで作成が可能です。作成には起動可能なパソコンが必要なので、ない場合には他の人のパソコンで作成してもらいましょう。

4.Windows 10 のインストールディスクの作成方法について

ここでは、インストールディスクの作成手順を説明します。まず、マイクロソフト社の公式サイトから「Windows 10 のダウンロード」のページへ進みます。そこから作成用のツールをダウンロードしましょう。次に「MediaCreationTool」の実行ファイルを開いて「ライセンス条項」を確認します。ここでは「同意する」を選択し、次に進みます。「別のPCのインストールメディアを作成する」をクリックしたら、「言語」、「エディション」、「アーキテクチャ」と選択していきます。そのとき、注意したいのは、必ず現在使用しているエディションと同じエディションを選択することです。続いて、作成するメディアを「USBメモリ」または「ISOファイル」のいずれかを選びます。パソコンにUSBメモリを接続して「次へ」をクリックしたら、作成は完了です。ISOファイルをダウンロードする場合は、作業が問題なく完了したところで、DVDにISOファイルを保存しておきましょう。

5.Windows 10 の再インストールを行う方法

事前準備ができたところで、Windows 10 の再インストールに入ります。ここでは、Windows 10 の再インストールを行う方法と手順について説明していきます。

5-1.クリーンインストールを行う場合

はじめに、クリーンインストールを行う方法を説明していきます。まず、作成したインストールディスクをパソコンにセットして起動させておきましょう。すると、Windows のセットアッププログラムが開くので、ここで使用言語や時刻、接続するキーボードの種類など、必要な項目を選び、「次へ」をクリックして進みます。続いて、「今すぐインストール」をクリックしたら、ライセンス認証画面を開きましょう。ライセンス認証が必要なパソコンの場合は、ここで「プロダクトキーがありません」をクリックします。ただし、入力が必要な場合でも後から行うことは可能です。ここで、使っているWindows 10 のエディションを選びます。次にライセンス条項が表示されるので一通り目を通し、「同意する」をクリックします。

インストールの種類については「カスタム:Windows のみをインストールする」をクリックしましょう。次に、前もって作成しておいたWindows 10 のインストールディスクを選び、「フォーマット」をクリックしたら「次へ」をクリックして進みます。クリーンインストールの準備が完了すると再起動されます。無事に再起動したら「コルタナ」の画面が表示されるので、必要な箇所の初期設定を行えば、クリーンインストールは終了です。

5-2.アップグレードインストールを行う場合

次に、アップグレードインストールの手順を紹介します。はじめに、インストールディスクの「Setup」を選択しましょう。「ユーザーアカウント制御」の警告が表示されたら「はい」をクリックします。「重要な更新プログラムをインストールします」の画面が表示されたら「今は実行しない」のほうを選択し、「次へ」をクリックして進みます。続いてライセンス条項の確認画面が表示されるので、必ず目を通すようにしましょう。最後まで読んだところで「同意する」をクリックします。次に、「インストールする準備ができました」の画面に移動します。ここでは「引き継ぐものを変更」を選択したあと「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」を選択しましょう。続いて「インストール」をクリックし、アップグレードインストールを開始します。インストールが完了し、ロック画面が表示されて問題がなければ終了です。

5-3.「新たに開始」から行う場合

続いて、「新たに開始」から再インストールを行う手順を紹介します。まずスタートメニューから「Windows Defender セキュリティ センター」を選択しましょう。続いて、「デバイスのパフォーマンスの正常性」を選択し、「新たに開始」の下方位置にある「追加情報」を選択してから「開始する」をクリックします。「ユーザーアカウント制御」の画面に進んだら、ここでは「はい」を選択します。「開始」をクリックすると、数回再起動が行われてから「新たに開始」は完了です。「新たに開始」とはクリーンインストールのことで、設定はそのまま残すことができますが、アプリに関しては削除されるので注意しましょう。

6.Windows 10 の再インストールは新たに開始が便利な理由

企業で使用している場合、Windows 10 の再インストールを行うなら「新たに開始」を選択すると便利です。どこがどのように便利なのか、ここでは、便利な理由について解説していきます。

6-1.インストールディスクを作成する手間が省けるため

Windows 10 の再インストールの方法は3つありますが、そのうちの2つにはインストールディスクが必要です。しかし、「新たに開始」だけはインストールディスクを使わずに再インストールができます。「Windows Defender セキュリティ センター」を利用すれば手軽に再インストールを行うことが可能なので、わざわざインストールディスクを作成しておく手間がかかりません。時間の短縮にもなり、業務を中断することが少なくなります。

6-2.インストールにかかる時間も比較的短いため

「新たに開始」が便利な理由には、再インストール手順の少ないことと、完了までにかかる時間の短さもあります。クリーンインストールやアップグレードインストールの場合は、再インストールにかかる手順が「新たに開始」と比べると多いため、その分時間もかかるからです。企業が再インストールを行う際、それだけに時間を割いてしまうのは効率的とは言えないでしょう。その分、他の業務にも支障が出やすくなります。その点、「新たに開始」なら40〜60分ほどで完了できます。実際には使用するパソコンの状態で変わりますが、他の方法に比べて時間の節約につながります。

7.Windows 10 の再インストールを行うときの注意点

Windows 10 の再インストールの手順を説明してきましたが、再インストールにはいくつかの注意点があります。どのような点に注意して行うべきか説明していきます。

7-1.「新たに開始」で行うと追加したアプリが削除される

再インストールで行う際にもっとも注意したい点は、データなどの削除です。特に「新たに開始」を行った場合は、アプリが削除されてしまうので注意しましょう。「新たに開始」で再インストールしたときには、必ずアプリも再インストールしないと使えません。アプリによってインストールしたときの方法は異なりますが、古いアプリの場合は、再インストール可能な手段を確認しておきましょう。DVDなどメディアからインストールしたアプリならDVDがあれば問題なくインストールは可能ですが、ダウンロードしたものですでに対応していないアプリの場合は二度とインストールできない可能性が出てきます。ただし、「マイドキュメント」などの個人用ファイルはそのまま引き継がれるので心配は要りません。

7-2.再インストール完了まで時間がかかる場合がある

パソコンを使っているとありがちなことですが、処理速度はパソコンによって異なります。Windows 10 の再インストールの完了までにかかる時間は、パソコンの状態や環境次第では、大幅に延びてしまうかもしれません。あまり考えずに再インストールを開始し、予想以上に時間がかかってしまうと、それだけ業務にも影響します。Windows 10 の再インストールを実行するときは、必ず忙しい時期を避け、十分時間に余裕を持って行いましょう。速度が遅いなどの理由で再インストールする場合、そのパソコンがなければ困るような業務はないかなどを考慮し、あらかじめスケジュールを組んでおくと慌てることがありません。パソコンを使う仕事だけではなく、他の予定についても確認してから行いましょう。

7-3.インストールディスクの作成は起動できるパソコンが必要になる

インストールディスクを作成する際にも注意が必要です。インストールディスクを作成するには、正常に起動できるパソコンが必要になります。例えば、部署に1台しかないパソコンが起動しなくなったために再インストールを行うという場合は、インストールディスクの作成ができないということです。他のWindows 10 が使えるパソコンでも、DVDやUSBメモリなどがあれば作成することはできます。他の部署でインストールディスクを作成させてもらうか、社内にインストールディスクの作成が可能なパソコンがない場合は、他から借りて作成させてもらうなど、何らかの方法で準備しておきましょう。

8.Windows 10 の再インストールで不具合を改善しよう

再インストールは時間がかかるもので、そう頻繁に行うものではありませんが、それでも、パソコンに不具合が起こったときには改善する有効的な方法です。企業で使っているWindows 10 のパフォーマンスが低下したら、再インストールしてみるのもいいでしょう。不具合以外にも、アプリなどを整理してはじめからすべてインストールし直したいときにも便利な手段です。企業の場合なら「新たに開始」から再インストールを行うことで時間の削減にもなります。事前に準備をしっかり行い、業務の予定なども考慮して日程を組んで行えば、余裕を持って完了できます。事前に準備をしておいても、実際に再インストールをしてみて何か不具合があった場合や、疑問を感じる場合には、日本HPのカスマターサポートへ手順などを問い合わせすることができます。パソコンが不調だと感じたら再インストールに挑戦してみるのもいいでしょう。