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2019.07.08

AIプロジェクトを加速させるエッジコンピューティングの実際
~AI実装の迅速化と効率化を担うHPの AI戦略~(1/2)

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学術研究からビジネス実装へと発展しているAI。ネットワークカメラや各種センサーなどから得られるデータ量は増え続け、いかに効率的かつ安全にデータ処理を行うかという課題に直面しています。また、膨大なデータからAIに必要な学習をしていくための前処理に多くの労力がかかってしまうという別の課題もあります。これらの問題の解決策として、日本HPは、2019年6月13日にセミナーを開催。コストパフォーマンスの高いエッジコンピューティングとその活用事例が紹介されました。

日本が次世代テクノロジーのリーダーとなるための鍵は
〝現場のAI〟の実現

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株式会社 日本HP 専務執行役員 パーソナルシステムズ 事業統括
九嶋 俊一 氏

日本HP専務執行役員の九嶋氏は「日本の労働力人口は減り、IT活用面でも海外企業に遅れをとっています。政府のAI人材戦略では、2025年までにAIのエキスパートを25万人輩出するとしていますが、間に合うのでしょうか? 現在AI市場が一気に広まっているので、今から活用すべきです」と問題を提起しました。日本企業は、ビッグデータ活用は不得意な一方で、カメラの映像やセンサーから得た情報を使って現場のオペレーションを変えるAIは得意なのではないかと九嶋氏は考え「日本の企業のみなさんと〝現場のAI〟を実現して世界に発信し、次のテクノロジーのリーダーを目指していきたいと思います。今日は、学術、小売、製造、医療など実践的なお話があります。これを機に世界と戦う準備を始めていただくというのが目的です」とセミナーの主旨を述べました。

AIはどのような場面に適用され、どのように人と協働していけるのか

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慶應義塾大学 理工学部 管理工学科 教授 人工知能ビッグデータ研究開発センター長
山口高平 氏

山口教授は、AIは〝知識駆動型AI〟と〝データ駆動型AI〟に分かれ、AIと人間の協働について述べるとし、まず知識駆動型AIの例として、自身が研究する、Wikipediaの情報をオントロジーと呼ばれる言葉の意味ネットワークに変換してコンピューターに理解させる取り組みを紹介しました。

これは、ロボットに質問をするとコンピューターを通じて日本語Wikipediaの情報を調べて回答する仕組みで、研究の例として、小学校の授業やラジオ番組にロボットを参加させて質問に回答する実例が披露されました。「AIはまだ言葉の意味を理解するのは難しいものの、機械的な推論結果と人間の思考が異なることで、お互いによい刺激を与えられる」と山口教授は語りました。

次に山口教授は〝データ駆動型AI〟の象徴的な出来事として、AI分野における世界的な画像認識コンテスト「ImageNet」の歴史について説明しました。それまでエラー率(画像の内容を間違える割合)が25%だったものが、2012年に登場したAlexNetモデルによるディープラーニングにより16.4%と大幅に改善、2015年にはMicrosoftのResNetモデルが3.57%と、もはや人間のエラー率5%を上回り、視覚情報の認知をコンピューターで行う企業が増えてきたと話しました。

AIの処理は、クラウドコンピューティングにて行われる認識が強くなっています。しかし、自動運転車両やプラント設備の検査、店舗などでの人物行動分析など、常時最新データに基づく判断が重要となるシーンにおいては通信遅延が懸念されます。山口教授はこの問題の解決策として、クラウドで基本パターンを抽出し、現場のエッジ端末で最適化をすることで、通信遅延回避を可能にする組み合わせについて述べました。

さらに人間とAIの共生に関する研究として山口教授は、小学生4~5名と自由討論をするロボットや、授業中によそ見をしている生徒を見つけるロボット、注文や調理、飲み物の運搬、ゴミの片付けなどをロボットが行う喫茶店などを説明しました。ルーチンワーク的な仕事はAIに置き換えられていく可能性が大きく、AIが人の仕事を奪うとされていますが、山口教授は「いろいろ研究をしてみて、仕事単位ではなく、業務を細分化したプロセス単位でみると、人の優位なもの、AIの優位なものがそれぞれ見えてきます。将来的に、人とAIが協働する社会が我が国にできるといいなと思います」と、将来の展望を述べました。

エッジコンピューティングによって、AI実装の迅速化と効率化を実現するHPの戦略

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HP Inc. Global Head of Z by HP and Virtual Reality
Xavi Garcia 氏

冒頭でGarcia氏は、データが科学の新たなパラダイムであるとし、現在データサイエンスがデジタルビジネスの基盤になっている状況について話し、「データはこの時代における新たな金脈です。しかし、データサイエンティストが不足しており、2020年までにアジアだけでも150万人不足すると言われています。そしてデータサイエンティストは、データの整理など分析のために多くの時間を費やさなければなりません。また、計算処理をクラウドコンピューティングだけでおこなうと高額なコストも気になります」と現在のデータサイエンス環境への問題提起をしました。

この問題に対する回答として、Garcia氏は、HPのワークステーション製品を活用したAIプロジェクトの迅速化を提案。HPのワークステーションは、70億もの構造化された行列演算可能にするGPUによるパフォーマンス向上や、データガバナンスを念頭に置いて統合された高度なセキュリティ、さまざまな企業とコラボレートして統合したソリューションを通じて、強力なデータサイエンスソリューションを提供すると説明。詳しい説明は、HP Inc.のデータサイエンティストでもあるJared Dame氏に譲りました。

エッジコンピューティングによる
データサイエンスを加速するHPのワークステーション

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HP Inc. Global AI and Software Development Director
Jared Dame 氏

Dame氏は、Garcia 氏と同様に、データサイエンティストへの負担とクラウドコンピューティングのコストなど、データサイエンス環境への課題をあらためて説明した上で「HPのワークステーションは、NVIDIAのグラフィックカードによりGPUを使ったパワフルな解析が可能です。また、社内のワークステーションに対し、外部からセキュアにアクセスして利用できるソフトウェアHP Remote Graphics Software (RGS)も活用してプロジェクトの効率を向上させることができます」とAI向けエッジ製品のメリットを語りました。

続いてDame氏は、エッジコンピューティングでのAI活用事例をいくつか紹介しました。Amazon GOのような無人店舗に来店した客は、商品をバッグに入れて外に出るだけで買い物が済ませられます。これは、店内のカメラやセンサーからの情報をディープラーニングにより解析/処理をすることで決済まで可能になっています。ローカルで大量のビデオデータを処理するため、エッジコンピューティングが必要と説明しました。

産業用AIでは、GEガスタービン燃焼器の監視の例が紹介されました。センサーで機器の異常を検出し、大きな障害の早期発見を実現しています。部品がいつ壊れるかを事前に予測できるため、計画外での業務停止による損失を防ぎます。医療分野においても活用が進んでおり、CTなどから得られる画像をAIによる解析で、すばやく病気を見つけたり、検査の結果がすぐにわかるようになったりしています。製造現場にもAIが導入されており、今後新しいテクノロジーの登場が期待できる分野だとDame氏は語りました。

HPの主なQuadro対応モデル

HP Z8 G4 Workstation

最高の拡張性と究極のパフォーマンスを持ったウルトラハイエンドモデル

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Windows 10 Pro For Workstations
(※Core™ i プロセッサーモデルはWindows 10 Proとなります)

最新のインテル® Xeon® プロセッサー選択可能
NVIDIA Quadro RTX5000を搭載可能

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