テクノロジーの最新トレンドと日本HPのデバイスを中心に紹介しています。
Interview

最高峰の
テクノロジーが紡いだ
最先端の
クリエイティブ

2019年6月4日、5日。ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催された宣伝会議インターネット・マーケティングフォーラム2019会場において、世界初の映像音楽作品が公開されました。

AI、高校生、最新テクノロジーという3つのキーワードをもって作られたその作品の名前は「Ten Million Nights」。現代にモーツァルトが生きていたらどのような旋律を紡ぐのか、というIFを現実のものとするHP Project Zのチャレンジです。次世代を担う高校生たちがAIをコントロールしてメロディラインの基礎を作り、そのフレーズを元に3人のクリエイターチームが1曲の映像音楽作品へと昇華。しかも8K映像に加え高精細なリアルタイム&全方位から音が聴こえてくるハイレゾイマーシブオーディオという、前例のないオーディオビジュアル空間が作り出されたのです。

AIモーツァルトの作品を最新テクノロジーで表現するという新たな挑戦のために、自ら演奏に参加し、自ら指揮棒を振った3人は映像作家・江夏由洋さん、インタラクションデザイナー・中田拓馬さん、作曲家・江夏正晃さん。いずれも最先端であり次世代の表現にチャレンジし続けてきたクリエイターです。

音と映像が作り出す
圧倒的な立体感に身体を委ねる

鉄骨で覆われた空間には、全部で12機のスピーカーと、1台の8K大型ディスプレイ、そして映像と音声の両方を送り出す1台のHPワークステーション(Z by HP)。これらの機器が演奏する「Ten Million Nights」を視聴してみると、なんだこれは、という想いが心をよぎります。

天から降ってくるボーカルの声。地面から盛り上がってくる重低音。そして360度全周囲から聴こえてくる、シームレスに繋がっている伴奏の楽器音。その圧倒的な立体音場! 一点音源のモノラル、2台のスピーカーを使うステレオは1次元、スタンダードな5.1chサラウンドは2次元なのに対して、イマーシブオーディオは前後左右に加えて上下にも三次元な音場が広がります。

もちろんヘッドホン・イヤホンの頭内定位とも異なります。コンサートホールのように、全身を音が包み込む感覚。これは、音の世界におけるバーチャルリアリティ。Hi-Fiな音色に加えて、ボーカルや楽器の位置も高い再現性がありました。

また映像の繊細さにも眼を奪われます。フルHD16枚分、4K4枚分という芳醇な解像度を誇る8K映像は、ハイエンドシネマカメラで撮影された実写映像と、プログラムによるリアルタイム生成のグラフィックを重ねたもの。8Kディスプレイの眼前まで眼をこらしてもピクセルがわからないほどなめらかな輪郭は空気感を漂わせ、立体が、リアルなダンサーが踊っているかのような現実感をもたらします。

そしてどこともしれない場所で踊るダンサーの動きに合わせ、目を凝らすことで1粒1粒が見えてくる数千もの粒子が肌に沿うように動き、一緒に踊る。ドットの光で満ちた液体内を泳いでいるかのごとく、ダンサーのアウトラインをグラフィックが補間する。

サウンドとビジュアルが織りなす浮遊感はいままで味わったことがないものです。気がついたら肌が泡立っていました。

鳥肌が立つ人もいれば、
気持ち悪さを感じた人もいる。でもそれでいい

「Ten Million Nights」は、高校生とAIが作り出したフレーズをベースとして江夏正晃さんが曲を紡ぎ、音場を作り、同時に江夏由洋さんがハイエンドシネマカメラで実写映像を撮り、中田拓馬さんが実写映像と音楽をつなげるリアルタイムビジュアルエフェクトをプログラミングする。この4者をつなげる存在となったのがテクノロジーです。

Yoshihiro
Enatsu

江夏由洋:今回は僕が先発、中田くんが中継ぎ、兄(江夏正晃さん)抑えといったコラボでもありました。だから気をつけたのは、僕が映像を完成させないこと。中田くんが作るグラフィックがどのようなものかわからなかったからこそ、映像に余白を残すようにして撮影しました。撮影に使ったカメラは8K 60pの撮影ができるREDです。ドラマのように撮ってしまうとPVっぽくなってしまうから、とにかくハイライトとシャドーがくっきりと鮮明になるように撮ってみました。8Kはあくまで解像度でしかない。でも、今回のプロジェクトのサブタイトルであるネオクラシックにマッチするコンテンツとして、バレエダンスの映像をできるかぎり綺麗にとって渡すというミッションがあったからこそ、8Kが生きたのです。

Takuma
Nakata

中田拓馬:電話は受話器を持つ、スマートフォンは画面をタップといったように、テクノロジーの進化と普及によって人間の動きってどんどん変わっていきました。AIも今後は当たり前のように自分たちの生活に浸透していきますよね。そして日々のルーチンワークはAIまかせにして、自分の得意分野に専念した生き方ができるようになりますよね。だから人体は時代に合わせながら、常に揺らぎ続けるというのをビジュアルのコンセプトにできたらいいなと考えて、揺らいでいる粒子や身体の境界が変化し続ける映像を作ろうと決めました。でも実写映像とリアルタイムグラフィックをあわせた経験がなかったので、毎日プログラムを作っては実験しましたね。

Masaaki
Enatsu

江夏正晃:僕が世界初のSeventh order Ambisonicsのハイレゾアルバムを作っていたとき、うちの専務(江夏由洋さん)が聞きにきたんですね。「これだ。これやろう」となって、今回のプロジェクトに取り入れることが決まりました。ただAmbisonicsの原理は1970年に作られたのですが、今回のクオリティでできるようになったのは、最新のワークステーションが手に入るようになったからなんです。だからAmbisonicsを手がけている誰もが模索状態なんです。実際にデモンストレーションしたときに、聴いている方の感想も「鳥肌が立った」と「気持ち悪い」で分かれました。でも「気持ち悪い」が悪い意見ではないんです。バッハが教会ではじめて平均律のインベンションを流したときも、参拝者が「気持ち悪い」といって悲鳴を上げたというんですよ。でもそれが今の音楽の礎になっていますから。

いくつもの
テクノロジーが
手を結んで作られた
「Ten Million Nights」

実はオリジナルメロディだけではなく、「Ten Million Nights」の歌詞にもAIが使われました。モーツァルトの手紙をまとめた本の文言、そしてアメリカ・ビルボード・チャートにランクインした古今東西の曲の歌詞をディープラーニングさせ、新たなフレーズをAIに書かせたのです。18世紀と20世紀、21世紀をテキストでブリッジさせるために。

そして完成した「Ten Million Nights」は、知っているようで知らない、懐かしいようで新しい、類似のない独特の浮遊感をもった作品となりました。これは次世代の表現にチャレンジし続けるクリエイターが作り出したマスターピースであり、新しいクリエイティブの扉となるリファレンスともなりえる可能性を持ったコンテンツといえるでしょう。

そして江夏由洋さんは語ります。「技術と技術が組み合わさると、こんなアートワークの可能性があるんだ」と。これもすべてフルカスタムしたハイエンドマシンがあったからこそ。現代のアーティスト、クリエイターの想像を創造につなげる道を作ってくれるのが、テクノロジーなのです。

Interview

  • 高校生たちが編み出した、
    令和時代のAIモーツァルトの旋律

プロジェクトを支えた
ワークステーション

ビジネスに適した
Windows 10 Pro 搭載。
Z by HP シリーズ

Z by HPはクリエーティブな作業に欠かせない最新のプロセッサーとグラフィック、クリエーターのための最新機能、そしてプロの仕事を支える安定性を兼ね備えたコンピュータデバイスです。

高度なコンピューティング集中型ワークロードを全力でサポート。

Z by HP シリーズ

Microsoft Z by HPシリーズ
HP Z8 G4 Workstation
Windows 10 Pro
OS Windows 10 Pro for Workstation Plus(64bit)
CPU インテル® Xeon® Bronze 3104 プロセッサー
メモリ 8GB
グラフィックス NVIDIA Quadro P400 2GB
ストレージ 500GB