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リテールテックJAPAN 2019 日本HP展示ブースレポート
~最先端リテールソリューションでお客様とエンゲージメント!
Windows 10 Pro
ビジネスに適したWindows 10 Pro。

 第35回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2019」が、2019年3月5日から8日の4日間にわたり開催。新しい流通業のカタチを提案する最新テクノロジーが数多く紹介され、大勢の来場者が集まった。昨年に引き続き出展した日本HPのブースでも、流通業の現場を変革する注目のラインアップが紹介された。本特集では、最先端のHPリテールソリューションの展示内容をレポートする。

「取り外し可能POS」として注目を集めた「Engage Go」

 今回、来場者の注目をひときわ集めたのが、リテールの現場で活躍するPOS向けPC(以下、rPOS)の新製品「HP Engage Go Retail System」(以下、Engage Go)である。
2018年9月に発売された Engage Goの最大の特長は、固定POS端末としてもモバイルPOSとしても利用できるという点だ。12.3インチサイズのタブレット部分はドックから取り外し可能で、バーコードスキャン機能も一部モデル(*)で標準装備する。(*Core i5モデル)

  • HP Engage Go Retail System
  • HP Engage Go Retail System

HP Engage Go Retail System

 長年日本HPのrPOS事業に携わる浦野敏明氏(サービス・ソリューション事業本部 クライアントソリューション本部 ソリューション営業部 ビジネスデベロップメントマネージャー)は、「これ外れるんだ! と足を止めて利用方法を尋ねるお客様が大勢いらっしゃいます」と、その反響を語る。

 「モバイル」タイプのEngage Goは、取り外したタブレットを利用し、カウンターから離れた売場でも、在庫確認や売上登録ができるため、従業員の労力を省くだけでなく、顧客の決済や在庫確認待ちのストレスを軽減することもできる。つまり、小売業やサービス業において重要度が増している「顧客体験」の向上に寄与するということである。

 そして Engage Goは「デザイン性」「堅牢性」「セキュリティ」といった、HPのrPOSが共通でもつ強みも兼ね備えている。まず、スマートでスタイリッシュな姿は、デザイン性に乏しい一般的なPOSのイメージと一線を画すものだ。電源供給とI/OベースはUSB-Cケーブル1本で接続、カウンターの上も散らからない。

 また、米軍調達基準やHP独自の耐久性試験をクリアしたうえで、タブレットとドッグの接続部は7万5000回の耐久試験を行うなど、リテールの現場で求められる「堅牢性」を実現した。他のrPOSと同様、標準保障は3年で、最長5年まで延長できる。

さらに、自己修復BIOS(HP Sure Start)を備えるほか、ドックからの盗難を防止する新しいタブレットロック機能(HP Smart Dock)などの最新のセキュリティ機能を搭載。高まる脅威にもしっかり対応している。

 「クレジットカードのデータ漏洩の危険性といった、セキュリティ対応の必要性を含めて機能に関するお話をすると、関心をもって聞いていただけます」と、浦野氏もセキュリティ訴求の重要性を改めて語る。

日本HP サービス・ソリューション事業本部 クライアントソリューション本部 ソリューション営業部 ビジネスデベロップメントマネージャー 浦野敏明氏

日本HP サービス・ソリューション事業本部
クライアントソリューション本部
ソリューション営業部
ビジネスデベロップメントマネージャー
浦野敏明氏

個性が光るrPOSのラインアップ

 展示会では、そのほかのrPOSのラインアップも多彩に並んだ。まず、Engage Go同様のスタイリッシュなデザインが光るのが、ディスプレイと一体型(「All-in-One」タイプ)の「HP Engage One Retail System」(以下、Engage One)だ。

 Engage Oneは、様々な設置方法ができる「柔軟性」の高さも大きな特長のモデル。たとえば、カウンター上にすべて設置する基本スタイルのほか、カウンターを広く使える「カウンターマウント、壁に取り付ける「ウォールマウント」など、利用シーンや状況に応じて、最適な設置方法が選べる。そのため、カフェやアパレルなどのおしゃれな店内の雰囲気を崩すことなく、省スペースで自由自在な利用が可能だ。

 また、All-in-Oneタイプとして根強い支持があるというのが、「HP RP9 G1 Retail System」のラインアップだ。ディスプレイは15.6インチと18.5インチが選べる。特にPOSだけでなく、シフト管理や在庫管理といった様々な用途で利用したい場合に、大型ディスプレイは重宝する。小売現場で増えているシニア従業員向けに、ディスプレイは大きいサイズがいい、という声もあるという。

 そして、様々な機器と接続したい、パフォーマンスを重視したい、といった小売現場の幅広いニーズに応え支持を得ているというのが、「モジューラー」タイプだ。「HP RP5 Retail System Model 5810」に加え、それよりサイズが小さい「HP Engage Flex Pro / HP Engage Flex Pro-C 」、さらにコンパクトサイズの「HP MP9 G4 Retail System」がラインアップに加わった。

  • HP Engage Go Retail System

    HP RP9 G1 Retail System

  • HP Engage Go Retail System

    HP MP9 G4 Retail System(上)と
    HP Engage Flex Pro(下)/
    HP Engage Flex Pro-C

 このシリーズで特筆すべきは、その「拡張性」だ。もともとrPOSは、汎用的なPCをベースとしたプラットフォームであることが大きな特長でもある。それに加え、本シリーズではグラフィックボード、追加のネットワーク機能、アクセサリオプションの組み合わせによって、POSとしてだけでなく、ビデオ監視システムやデジタルサイネージといった、バックオフィスも含めた様々な用途に対応が可能だ。また、Windows 10 IoTをプリインストールしているため、受付やチケット発行など組込み端末としても使える。

 浦野氏は、こうした強力なラインアップを前に次のように手応えを語る。「HPのrPOSは直近の四半期でPOS出荷台数世界No1を獲得しました。会場でも我々のPOSのコンセプトに共感いただけるお客様が増えていると実感します」

  • HP Engage Go Retail System
  • HP Engage Go Retail System

    HP Engage One Prime

 展示会は、今後発売予定の新製品に対する感触を探る場ともなっている。今回そうした意味で参考展示されたのが「HP Engage One Prime」。HP Engage OneのAndroid搭載モデルだ。Android搭載であることや、導入のしやすさを重視したシンプルな構成に、関心を持つ来場客が多かったという。

プリンターの常識を覆す、新製品が続々

 ブースではリテールPOS以外にも、様々な新製品が紹介されていた。まず、実際の稼働している様子に目を奪われるのが大判プリンター群である。

 「HP Latex115 プリント&カット」は、様々な素材に対して印刷ができ、優れた擦過性、高い耐候性と、速乾プリントを実現したプリンターとカッティングマシンをセットにしたモデル。体に影響の少ない水性インクを使用しているため、食品を扱うスーパーや飲食店における印刷物の内製化に最適だ。
 また、様々なカッティングに対応しているため、小さな販促物のプリント&カットにも利用できる。そのためカーラッピングや屋外広告といった大型のものから、ポスターやステッカーまで、その想定用途は幅広い。

 そして「HP DesignJet Z9」は、自動で余白をカットするV-Trimmer(Vトリマー)機能が特長的なシリーズである。この機能は、印刷後に手動でカットする手間が省けるとあって、高い人気を得ているという。というのも、販売現場ではカットミスで何度も印刷・カットを繰り返すといったことが多いようで、会場では、用紙の両端が出力と同時に裁断される様子が実演されていた。

  • HP Latex115 プリント&カット

    HP Latex115 プリント&カット

  • HP DesignJet Z9

     HP DesignJet Z9

 さらに大判以外でも、店舗など場所の制約があっても最大限活用できるプリンターとして、「HP OfficeJet 250 Mobile AiO 」や「HP Tango X」などが展示された。
 HP OfficeJet 250 Mobile AiO はバッテリーを搭載し、スキャンやコピーもできる超小型モバイルプリンターである。邪魔なACアダプターを本体に内蔵するなど、レジ回りなどでの利用も想定している。

 HP Tango Xは、そのデザインが非常に特長的な小型プリンター。リネン生地の埃カバーは排紙トレイも兼ねている。インテリアにも溶け込むようなデザインで、おしゃれな雰囲気の店舗によく合いそうだ。

  • HP OfficeJet 250 Mobile AiO(上)とHP Tango X

    HP OfficeJet 250 Mobile AiO(上)とHP Tango X

顧客の課題を解決、未来の流通現場をご提案

 ブースには「HP TechPulseプロアクティブ管理」というITサービスの紹介コーナーも設けられた。
 HP TechPulseプロアクティブ管理では、店舗のPOS端末やバックヤード端末、エリアマネージャーのモバイルPCなどを機械学習型クラウドで一括管理、情報収集と問題分析を自動化している。
 ハードウェア故障の予兆を察知するとともに、端末の負荷・使用頻度・移動距離など“動態分析”もできることが特長だ。現場において必要不可欠なデバイスの運用・保守に関する課題を解決するサービスと言えよう。
 ブースコーナーには、実際のダッシュボード画面が確認できるようになっており、具体的な管理イメージがつかめるものとなっていた。

高速インクジェット複合機とリテール向けプリンティングソリューション

 小型のモバイルプリンターと並び、一回り大きな複合機が目を引く。「HP PageWide Pro 577シリーズ」はビジネス利用を想定したインクジェット複合機だ。1分あたり最高70枚のプリント速度、7,000~10,000枚印刷可能な大容量インクカートリッジに、大量の文書の自動スキャンを可能にするオートフィーダーなど、多忙な店舗スタッフの業務負荷を軽減する機能が詰まっている。

  • HP PageWide Pro 577シリーズ

    HP PageWide Pro 577シリーズ

 当モデルは単品利用のみならず、HPのプリンティングソリューション「マネージドプリントサービス」とも併用可能だ。店舗におけるプリンター・複合機の利用には、交換カートリッジの調達や故障時の修理発注など、意外と手間がかかるものだ。当サービスはそうした悩みを解決すべく生まれた、月額基本料金と従量課金を組み合わせたサブスクリプションサービスである。

 各プリンターのインクカートリッジをモニターし、残量が少なくなったら交換カートリッジを自動で該当店舗に配送する。故障時の機器修理は、基本料金の中に含まれており、都度発注手続きをする必要がない。毎月、各プリンターの印刷枚数がわかる明細を添えた請求書が発行され、店舗ごとの利用率・コストが視える化できる。

 店舗スタッフのみならず、ITや総務などの管理部門視点でも、プリンター・複合機利用をシンプルにまとめたサービスだ。人手不足が叫ばれる店舗運営の一助となるだろう。

そのほか、体験型の店舗設計などをサポートするVRコーナーも設置され、実際に装着して体験する来場客の姿が多く見られた。
従来のデバイスの活用や運用方法に疑問や解決策を求める来場者にとっては、実際に見たり説明を受けたりしながら、未来の現場を想像できるブースは、非常に刺激的だったに違いない。お客様のビジネスの課題に寄り添いながら、それらを解決し、更なる顧客体験の最大化の創造を支えるHPの製品群やサービスに引き続き注目したい。

参考情報:Windows 10 ProとWindows 10 IoT Enterpriseの違い

Windows 10 Pro

 通常、企業のオフィスワーカーが利用するPCのOSと言えば、Windows 10 Proを選ぶのが一般的だ。世界中でサイバー攻撃が急増するなか、セキュリティ機能などを定期的な更新作業によって常に最新にし、ビジネスのダウンタイムを最小化したり、個人向けに開発された画期的な機能を持つアプリケーションを企業でも安全に活用したいケース、あるいは従来のPCの使い方とはまったく異なるMRやVRといったヘッドマウントディスプレイを利用する没入体験をビジネスプロセスに組み込んで生産性を高めたい場合には、Windows 10 Proを利用する事になる。つまり、デバイスの幅広い活用方法をよりセキュアに、かつ無償で提供しつづける“Windows as a Service”(サービスとしてのWindows)を体現するのがWindows 10 Proというわけだ。

 その一方で、幅広い活用をしたくない業務端末や定期的な更新をされると逆に困るようなケースがある。代表的なのが1つの会計・決済用アプリケーションしか動かす必要がないPOS端末や24時間安定稼働させる必要性があるような組込みPCといった分野だ。HPは、業界で最も広範なラインナップを持つベンダーであるが、利用シーンや用途に応じてプリインストールするOSを分けて提供している。

  • HP Engage One

    HP Engage One

  Windows 10 Pro Windows 10 IoT Enterprise
2-in-1タブレット
※代表的な製品名
HP Elite x2 1013 G3
プリインストール 有償のカスタムサービスによりインストールして提供可能
POS端末
※代表的な製品名
HP Engage One
プリインストール プリインストール
組込みPC(ロングライフPC)
※代表的な製品名
HP MP9 G4
プリインストール プリインストール
VR対応ワークステーション
※代表的な製品名
HP Z VR Backpack
プリインストール 有償のカスタムサービスによりインストールして提供可能
シンクライアント
※代表的な製品名
HP t430 Thin Client
サポートなし プリインストール

POS製品にプリインストールされているWindows 10 IoT Enterpriseの最大の特徴は「ロックダウン」と呼ばれる機能で、複数のアプリケーションを使えなくしたり、シンクライアントで求められるような機能制限(USBフィルターやジェスチャーフィルター、キーボードフィルターなど)に加え、ローカルストレージにデータを残さないようにする設定(書き込みフィルター)を実現できる。あくまで特定用途のデバイスに限るが、Windows10 Proと互換性の高いアプリケーションを安定的に稼働させたい場合に有効なソリューションである。また、HPでは、同じバージョンのOS、同じ仕様のハードウェアを長期間(最長5年)製造/販売し続けることができるモデルを多数用意している。

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